「表現の不自由展」実行委が会見(全文1)行政の判断は検閲に当たる
準備が十分でなかった
ところが事前研修が実施されていないなど、準備が十分でなかったことが分かっています。また、実際に抗議電話が来てから、公務員だから必ず名乗らなければならない、どんな電話であっても先に電話を切ってはならない、それで職員、特に女性が苦しんでいると報告がありました。それは最初のうちは決まりだと説明されましたけれども、後日、これも強制力がないということが分かってきました。 それから先ほど会見でも話ありましたけれども、自動音声システムを導入してハードルを上げることも私たちが提案し、採用されました。つまり安全対策について、まだまだいっぱい具体的に言いたいことがあるんですけれども、まだまだ私たちは、ですので、再開のためにできることがあると考えています。あると考えているし、しなければならないと思っています。 そして最後に2つだけ付け加えたいことがあるんですけれども、大村知事、津田監督は、今回の中断は検閲ではなく安全の問題だと主張していますが、私はそうは思っていません。作品を見せないようにしたこと、表現の自由を侵害した行政の判断は検閲に当たると思います。もちろん言うまでもなく、作品を視察した上で県知事に展示中止を申し入れた河村名古屋市長の発言、芸術祭に対する補助金支出の見直しに言及した菅官房長官の発言は、共に作品の内容に踏み込んだ明らかな政治圧力で、表現の自由への侵害だと思います。 それから最後に、攻撃のターゲットになった『平和の少女像』は、戦争と性暴力のない女性の人権の尊厳の回復を願う芸術作品です。こうした被害者の記憶、歴史的記憶を消されるときに、今回ジェンダー平等を挙げたトリエンナーレは、まず声を上げるべきだったと思います。 すいません、以上です。やっぱり長くなってしまって。 司会:大丈夫、いつもそうですから。じゃあ次はアライさん、お願いします。 【書き起こし】展示中止問題の後 「表現の不自由展」実行委が会見 全文2に続く