『ゴジラ×コング:新たなる帝国』はキングコングの成長物語
東宝のゴジラにある不動の王者感
ゴジラには、こうした「共鳴感」はありません。コングと違って、ゴジラは親会社である東宝がキャラクターを所有し管理していますから、そのキャラクターを使用する際には同社にも協力してもらうことにになります。 東宝では、ゴジラに対してやっていいことと悪いことの間に明確な線引きがあります。それは、ゴジラというキャラクター、そして象徴としてのゴジラを守るためです。ゴジラが登場するや否や曲芸をしたり、バナナの皮で滑ったりすることはご法度なのです。
イジれるからこその共感と愛着?
だからといって、ウィンガード監督がゴジラの限界に挑戦していないわけではありません。今回、何度も東宝と交渉を重ね、OKが出たものもあれば、ボツになったものもあったのだそう。 しかし、こうした制限があることで、キャラクターの力学が本質的に変わってしまいます。 (ゴジラが)新しいことをするのを見たいので、我々は常に限界に挑戦しています。一方コングに関しては、今回の映画に登場する彼は完全に“MonsterVerse”版になっています。ですから、コングに限界はないのです。 なんでもできるキャラクターと、そうでないキャラクターがいれば、片方に愛着が傾くのも無理はないのかもしれません。しかし、そんな2大怪獣が再びスクリーンで共演したらどうなるのでしょうか? 神のように畏れられるゴジラと、人間味が共感できるキングコングが活躍する『ゴジラ×キングコング 新たなる帝国』は必見です!
R.Mitsubori