企業、大学の合宿見込む 城端別院善徳寺にホテル開業
●県西部観光社 砺波地方の「土徳」発信 南砺市の城端別院善徳寺の研修道場を改修したホテル「善徳寺 杜人舎(もりとしゃ)」が1日、プレオープンした。長期滞在可能な6室を備え、13人が宿泊できる。当初は6人以上の団体の宿泊を受け入れ、来年3月15日にカフェやショップも開業して個人宿泊が可能となる。砺波地方の「土徳(どとく)(人を育む土地の精神風土)」を伝え、城端地域の活性化につなげる。 一般社団法人富山県西部観光社「水と匠」(高岡市)の関連会社「水と匠」が木造2階建て築約60年で、延べ床面積約400平方メートルの「同朋研修道場」を改装した。農水省の補助事業を活用した。 道場は民藝(みんげい)運動の創始者柳宗悦(やなぎむねよし)の弟子である立山町出身の建築家安川慶一(1902-1979年)が設計。研修など多目的に利用できる機能をいかした。 1階に住民が気軽に利用できるカフェとショップ、講座を開催できる講堂を備える。テレワークスペースも昨年6月に開設された。 2階のホテルは2人部屋5室(宿泊料1人1泊1万4千円から)、3人部屋1室(同1万7千円から)でトイレは共有。朝食を提供し、夕食は城端地域の飲食店を利用する。陶芸などの体験プログラムを提供する。企業や大学の研修、合宿など長期滞在での利用を見込む。 内覧会で県西部観光社「水と匠」の林口砂里プロデューサーが「民藝の美しい空間が残る場所を、現代の道場にリニューアルした。『泊まれる民藝館』として楽しんでほしい」とあいさつした。田中幹夫市長、川合声一市観光協会長、城端地区活性化協議会代表の山田清志市議らが期待を述べた。 水と匠は昨年10月に砺波市野村島の古民家を改修してアートホテル「楽土庵(らくどあん)」を開業している。