「捕鯨をやめるわけにいかない」…和歌山で全国フォーラム、クジラ研究「学術都市」構想も紹介
捕鯨文化の継承や普及を目指す「全国鯨フォーラム」が2日、和歌山県太地町公民館で開かれ、県内外の関係者ら約150人が参加した。
フォーラムは、2002年に始まった「日本伝統捕鯨地域サミット」を引き継ぎ、捕鯨にゆかりのある自治体で07年から定期的に開催している。太地での開催は2回目。
この日のフォーラムでは、町職員の和田正希さんが、クジラの学術研究都市を目指した「30年構想」などについて紹介。町漁業協同組合専務理事で日本小型捕鯨協会会長の貝良文さんは講演で「命あるものに感謝し、資源量も考えながら漁をしている。受け継いできた捕鯨文化をやめるわけにいかない」と捕鯨の正当性を強調した。
パネル討議では、農林水産省顧問の森下丈二さんや日本鯨類研究所理事長の藤瀬良弘さんらが登壇。森下さんは「(町の捕鯨の)最大の課題は次世代への継承だが、太地は鯨の恵みが町全体に行き渡る仕組みができている」と述べた。
3日は、今年4月に利用が始まった「国際鯨類施設」などの見学会が行われる。