特集「キャッチ」通学路戦士パトーラは2児の母「強くて優しい存在になりたい」無免許運転の車にいとこを奪われた女性の新たな覚悟 福岡
FBS福岡放送
特集「キャッチ」です。12年前、京都府亀岡市の通学路で起きた車の暴走事故でいとこを亡くした女性が福岡にいます。悲劇を繰り返さないため、戦隊ヒロインに扮して戦い続ける遺族の覚悟を見つめました。 【画像】通学路戦士パトーラは2児の母「強くて優しい存在になりたい」新たな覚悟 23日、福岡県大野城市の自動車学校の卒業式に“戦隊ヒロイン”が登壇しました。 ■パトーラ 「私たちドライバーが加害者にならないことが一番の交通安全なんです。」 これからハンドルを握る人たちにメッセージを送ったのは「通学路戦士パトーラ」です。
変身していたのは、地域で交通安全活動に取り組む村岡麗菜さんです。 活動の原点は、12年前に遡ります。 2012年4月23日、京都府亀岡市で集団登校をしていた児童の列に無免許の軽乗用車が突っ込み、10人が死傷しました。 亡くなったのは、2人の小学生と、娘の登校に付き添っていた松村幸姫(ゆきひ)さん、当時26歳です。 妊娠7か月でした。 麗菜さんは、幸姫さんのいとこにあたります。 ■NPO法人route代表・村岡麗菜さん(30) 「(事故の)1週間前に3人目(の子ども)も女の子だったと、何気ない電話をした直後だった。」 10歳まで京都に住んでいた麗菜さんは、近くに住む8歳年上の幸姫さんを「ふきちゃん」と呼び、姉のように慕っていました。 事故の知らせを受けて飛び乗った京都行きの新幹線の中で何度も思い浮かべた「ふきちゃん」の笑顔。それを一瞬にして奪ったのは、当時18歳の少年による無免許の居眠り運転でした。 ■署名活動をする麗菜さん(当時18) 「少年に厳罰を与えられるよう署名をお願いします。」 事故の直後から、麗菜さんは何かに突き動かされるように活動を始めました。 ほかの被害者遺族とともに30万を超える署名を集めて、無免許運転の罰則をより重くする法改正につなげたほか、NPO法人「route」を立ち上げ、講演活動や地域の交通指導で交通事故の撲滅を訴え続けました。 ■麗菜さんの父・村岡智明さん(67) 「いちずに取り組む強さや熱さが昔からすごくあった。」 しかしその一方で、 ■智明さん 「個人の尊厳を損なうようなこと、これは人としてやってはいけないというのがあった。」 長い活動の中で誹謗や中傷を受けることもあったといいます。講演の前後に体調を崩すなど、いつしか心と体は傷だらけになっていました。