「今後の生き方の糧になる」労災遺族らが根絶願い懇談会 東京・八王子
仕事中の事故や過労死で家族を失った遺族が集まる懇談会が22日、東京都八王子市で開かれた。全国から8家族10人が参加し、労働災害の根絶を願い、それぞれ抱えてきた思いを語り合った。 懇談会は、労災犠牲者を弔う「高尾みころも霊堂」（同市）で23日に「産業殉職者合祀慰霊式」が開かれるのに合わせて行われた。令和元年に東京でバリスタとして働いていた息子の深迫忍さん＝当時（29）＝を仕事中の交通事故で亡くした母親の祥子さん（56）＝熊本市＝が「遺族がつながる場を作り、多くの人に霊堂の存在を知ってほしい」と考え、昨年から懇談会を開催している。 祥子さんは「思いを共有する場として、今後も年1回開きたい」とし、夫の祐一さん（64）は「それぞれ背景が異なり、孤立しがちな遺族がつながり、少しでも前向きになれば」と語った。 労災事故で脊髄を損傷し、26年間闘病した夫＝当時（68）＝を昨年亡くした盛岡市の坂本明美さん（60）は初参加した。「他の方の経緯を知ることは大切だと感じた。今後の自分の生き方の糧になると思う」と話した。
