SUPER EIGHT、5人のスーパーヒーローの可能性は無限大 心機一転の最新作で首位獲得
「ハリケーンベイベ」から「次回予告」まで、現代仕様へアップデートした過去曲も
しかし、何と言っても6曲目の「ハリケーンベイベ」を無視しては語れないだろう。エレクトロディスコ調の煌びやかなサウンドとゴキゲンなダンスビートが支配する音世界を、メンバーたちが生き生きとしたボーカルワークで歌い上げるこの曲。歌詞では〈変身したらいつもスターでいるよ〉とアイドルでいることへのプロ意識も歌われる。個人的には改名のタイミングよりも、むしろこの曲を聴いた時にはじめて彼らのイメージが刷新された。岡村靖幸による楽曲提供で起きたこの化学反応は、今後の彼らの方向性を大きく左右するかもしれない。 そのほか、asmiによる繊細なバラード曲「鍵」や、どこか切ないロックチューン「音楽が聴こえている」、フジファブリックの山内総一郎が提供した「群青の風」、sumikaの片岡健太が作詞作曲した「Eighdays」など、SUPER EIGHTという存在をさまざまなアーティストたちが色づけした楽曲が並ぶ。 その後、本作は「次回予告」で幕を閉じつつも、過去曲を新たな解釈で表現した「オモイダマ jam with 東京スカパラダイスオーケストラ」と、歌詞を一新した「“超”勝手に仕上がれ」により、自らを現代仕様へと“アップデート”してピリオドを打つ。「ハリケーンベイベ」において〈時代は変な風に困難そうで解んないけれど〉と歌われているが、そんな中でも前へ進もうとする彼らの強い意気込みが感じ取れる一枚となっている。 ※1:https://www.oricon.co.jp/news/2339230/
荻原梓