【大学野球】指揮官は「文句のつけようがない」早大・伊藤樹が大商大相手に10回完封勝利
増すばかりのエースの存在感
大商大は前日の1回戦(対中央学院大)を勝ち上がっての2回戦。一方で、早大は大会初戦であり「入り」がポイントだった。 「難しい初戦で僅差をものにできたのは、次につながる。東京六大学の代表として優勝を目指す」。伊藤は今春の東京六大学リーグ戦で8試合に登板し、3勝0敗、防御率1.49。今大会も安定感ある投球内容を継続している。 この春から早大のエース番号である「11」を託した小宮山悟監督は「やればできるじゃないか、と。能力が高いことは分かっている。2年間、モタモタしていたのはこちらの責任もあるかと思いますが、しっかりとした投球をしてくれた。四死球(4)はありましたが、文句のつけようがない」と目を細めた。 これでベスト8進出。9年ぶりの大学日本一まで、あと3勝である。伊藤にとって、この日は人生初の東京ドームで「(幼少時から)テレビで(プロ野球を)見ると、いつもドームで育ってきたので、うれしいです。(出身地の)秋田は楽天の試合が映らないので……」とはにかんだ。準々決勝から決勝までの3試合は、慣れ親しんだ神宮球場が試合会場である。確固たる自信をつけた3年生・伊藤の存在感は増すばかりだ。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール