「人口減少していく東京で緑を切るような開発が本当に必要なのかを問いたい」 蓮舫参院議員が外国特派員協会で会見
東京都知事選への出馬を表明している蓮舫参院議員が6月14日、日本外国特派員協会で記者会見し、選挙の争点に明治神宮外苑の再開発を含む地球環境問題を据えていきたい意向を示した。 神宮外苑の再開発プロジェクトについて蓮舫氏は、「一度立ち止まるべき」とした上で、事業者から樹木の保全対策の計画の迅速な提出を求めた上で、環境アセスメントを再度行い、認可の取り消しを含めたゼロべースでプロジェクトの妥当性を再検討する意向を示した。 東京都の小池百合子知事は2023年2月、三井不動産、明治神宮、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)、伊藤忠商事に神宮外苑の再開発事業の認可を与えた。これはこれまで風致地区に指定されて開発が制限されていた神宮外苑に40階建て高さ185メートルと38階建て高さ190メートルの超高層のオフィスビル2棟と、ホテルを併設した新神宮球場、屋根付き人工芝の新秩父宮ラグビー場などを建設する巨大プロジェクトで、都民の憩いの場である外苑の景色を一変させることから、市民団体などが強い反対を表明していた。 この計画が実行されると、外苑の象徴とも言うべきいちょう並木が枯死する恐れがあることは、ビデオニュース・ドットコム「マル激トーク・オン・ディマンド第1128回」(2022年11月19日)で環境デザインが専門の石川幹子東京大学名誉教授などが指摘したほか、同じく「マル激トーク・オン・ディマンド第1150回」(2023年4月22日)では、都市計画が専門の大方潤一郎東京大学名誉教授が、東京五輪に便乗する形でこのプロジェクトが認可された過程の脱法性を厳しく批判している。また、この計画にはミュージシャンの坂本龍一氏が亡くなる直前に小池知事に事業計画を見直すよう手紙を出したことで、全国的にも知られるようになっていたが、ここまで小池氏は計画を見直す意向は一切示していない。 また、冤罪被害を受けた大川原化工機の社長らが警視庁の不当な捜査に対して損害賠償を求めている国賠訴訟で、警視庁を管轄する東京都が一審敗訴の後、控訴したことについて質問を受けた蓮舫氏は、控訴取り下げも含めて再検討する意向を示した。 蓮舫氏はその他の具体的な選挙公約については、週明けに発表すると語った。 【ビデオニュース・ドットコムについて】 ビデオニュース・ドットコムは真に公共的な報道のためには広告に依存しない経営基盤が不可欠との考えから、会員の皆様よりいただく視聴料(ベーシックプラン月額550円・スタンダードプラン1100円)によって運営されているニュース専門インターネット放送局です。 (本記事はインターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』の番組紹介です。詳しくは当該番組をご覧ください。)