子どもが集めた空き缶で 福岡市の樋井川に架かるカンカン橋
懐かしい地域の記憶
そんな中、近くで暮らす中畑明枝さん(66)に話を聞くことができた。当時、空き缶を収集する校区には住んでいなかったが、幼なじみに頼まれた娘が、弟と一緒に懸命に集めていたという。「娘は東京で生活していますが、帰省時にこの橋を通ると、あの頃のことを懐かしそうに話していますよ」と教えてくれた。
橋から徒歩数分の住宅街にある田島八幡神社の境内には、かつての金桜橋の石でできた欄干の一部が奉納されている。神社氏子総代会総務の金替敏正さん(73)によると、架け替えの際に氏子の一人が「処分するのはもったいない、地域の記憶をとどめたい」と強く望み、境内に残されることになったそうだ。
読売新聞