「ここで学んで良かった」 厚狭高定時制、75年の歴史に幕【山陽小野田】
厚狭高定時制(和泉屋紀之校長)の閉課程式は1日、同校南校舎で開かれた。最後の卒業生3人を含む教職員、卒業生、地域住民ら約30人が出席し、それぞれが思い出を振り返った。最後に、校舎をバックに全員で記念撮影し、75年間の歴史にピリオドが打たれた。 式では和泉屋校長が「勤労青年の学びの場として、これまで461人の人材を輩出してきた。卒業生は県内外の各方面で活躍し社会の一翼を担っている。ニーズの変遷により長い歴史を閉じることになったが、社会に果たしてきた貢献、実績は多くの人の記憶に刻まれる。本日、卒業する3人が定時制の歴史と伝統を引き継ぎ輝かしい未来をつくることを願っている」と式辞を述べた。 来賓の同校定時制教育振興会の伊藤実会長は「日々、世の中は変わっていくが、若い人の特権である柔軟な発想とバイタリティーで進化していって」とエールを送った。 卒業生を代表して生徒会長の安部美咲さんが「全日制ではできない経験や出会いに、ここで学んで良かったと感じている。得意の卓球を仲間に教えることができて自信にもなった。貴重な3年間の体験はこれからの人生で生き続けると思う。最後の卒業生として自信と誇りを持って人生を歩んでいきたい」とあいさつした。 閉課程式には地元にある定時制高校生を応援してきた地域住民や、90歳になる1期生も駆け付け、門出を祝った。会場には戦後からの学園生活の様子を写した写真も飾られ、思い出話に花が咲いていた。 同校定時制は1948(昭和23)年に開設。昭和40年代(65年~)には約50人が商業科に在籍し、県内の定時制の中核を担っていた。 この日は、小野田高定時制の閉課程式も行われた。