地域づくり目指し、宇大生有志が大学内の草地につくったものとは 24年12月にイベント、運営継続へ課題も
宇都宮大の学生有志が、「ドッグラン」を活用した地域コミュニティーづくりを模索している。大学周辺の犬の飼い主たちを結び付けようと2024年12月、宇都宮市の同大陽東キャンパス内の草地に囲いを設置し、1日限定のドッグランを開設した。飼い主ら約40人、小型犬など22匹が集まって交流した。継続的に取り組み、地域内のきずなを強めることを狙う。 活動を企画したのは、同市在住で2匹の犬を飼う同大地域デザイン科学部2年山崎千歳(やまざきちとせ)さん(20)。24年2月、学生有志の団体を立ち上げた。名称はウェールズ語で「ワンちゃんおいで」を意味する「ci-dod(チードット)」。 メンバーは、大学周辺に犬の散歩の途中で飼い主同士が立ち止まり、交流できるような場所が少ないことに着目。ドッグランを設け、地域づくりの手段として活用することを考えた。 ドッグランの場所に選んだのは、同市陽東7丁目の同大陽東キャンパス内の草地。大学側と交渉し、場所を借りた。不特定多数の犬が集まるため、狂犬病ワクチンの接種を確認できた犬を受け入れた。 同年12月15日の初開催当日。会場に小型犬用と大型犬用に一つずつ、ネットと柵で約15メートル四方のドッグランを作った。近隣に住む30~50代の男女ら約40人が訪れ、計22匹の愛犬を自由に遊ばせた。ドッグトレーナーがしつけの悩みに答えるコーナーも設けた。 参加者からは「他の犬と交流できた」「しつけの悩みを相談できよかった」と好意的な意見が聞かれた。山崎さんは「機会があれば初対面の住民同士でも会話が生まれる。活動の意義を感じた」と手応えを語った。「将来的に住民同士の仲が深まり、高齢者の見守りや防犯につながってほしい」と見据える。 今後の課題は柵の設置などの運営費用と場所の確保だ。資金はクラウドファンディングサイト「ForGood」で6日から募る。目標は20万円。大学構内だけでなく、周辺の空き地などを含め適した場所を探している。