神戸国際大付 「控え」躍動、見せた選手層の厚さ 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第1日の19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、九回に追いついた神戸国際大付(兵庫)が延長十回、3―2で北海(北海道)にサヨナラ勝ちした。 【メガホン片手に応援する神戸国際大付のアルプス席】 序盤の劣勢から一転、押せ押せムードの中で途中出場の背番号8が左打席に立った。2―2の同点、延長十回1死満塁で迎えた初打席で、神戸国際大付の関は「九回のミスを取り返す」と気持ちをたかぶらせていた。1ボールからの外角直球を素直にゴロではじき返すと、「抜けろ」と念じた打球は二塁手のグラブをはじいて中前へと転がった。ベンチを飛び出したナインと歓喜の輪を作った。 勝利の伏線は、1点を追う九回にあった。無死一塁から一塁代走に送られた関だが、代打・坂本のバントにも二塁で封殺された。「大事にいって(関の)スタートが遅れた」と青木監督。反撃の芽を一度は摘まれた。 さらに1死一、三塁で武本がスクイズを空振りしたが、三塁走者の坂本が本塁に頭から滑り込み、土壇場で同点に。青木監督が「迷いなく走った瞬間、セーフだと思った」と絶賛した好走塁もあり、関に「汚名返上」の機会が訪れた。 昨秋はレギュラーだった関と坂本だが、左打ちの2人は北海の左腕・木村対策もあってベンチスタート。とはいえ、それぞれ二塁と三塁で先発出場した山里と板垣、左翼の松尾は秋の公式戦出場が一度もない2年生だ。関は「春から2年生が(レギュラーに)上がってきて、自分も負けないように」と悔しさを胸に試合に臨んでいた。 控え選手の活躍に、青木監督は「このチームはそういうチーム」と織り込み済み。関も「控えが活躍するのが、チームを強くする方法」だと言い切る。4強入りした2005年以来のセンバツ勝利をチーム一丸でもぎ取り、選手層の厚さを見せた。【田中将隆】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。