イランによる初めてのイスラエル直接攻撃で白日の下にさらされた「陰の戦争」… 状況はより危険に(海外)
イランとイスラエルは何十年もの間、"陰の戦争"を戦ってきた。 敵対する両者は、互いを攻撃するために代理勢力や暗殺、海外での攻撃に頼ってきた。 【全画像をみる】イランによる初めてのイスラエル直接攻撃で白日の下にさらされた「陰の戦争」… 状況はより危険に 4月13日夜のイランによる直接攻撃は、一触即発状態の対立に新たなダイナミクスをもたらした。 何十年にもわたるイランとイスラエルの"陰の戦争"が白日の下にさらされた。 イランとイスラエルは長年にわたって他国での攻撃や暗殺、代理勢力に依存し、一触即発状態の ── ただし死者を伴う ── 対立を続けてきた。そして、4月13日夜のイランによる直接攻撃はこの対立のダイナミクスを著しく変化させ、より危険な状態になった。 アメリカ国防総省の高官は14日、「イランからイスラエルへの直接攻撃は史上初だ」とした上で、今回の攻撃を「無謀」と呼び、「当該地域をより大きな紛争に引きずり込む危険性がある」と報道陣に語った。 イランとイスラエルの激しい対立は、1979年のイスラム革命にまでさかのぼることができる。この革命によって、テヘランにイスラエルの存在に反対し、その破壊を誓う神権国家が誕生した。 イランは長年にわたってレバノンのヒズボラやガザ地区のハマスといった中東各地の代理勢力を支援し、資金を提供し、武装させて、イスラエルの利益を攻撃するために彼らに依存してきた。こうすることで、イランは間接的にイスラエルを攻撃することができた。 一方のイスラエルは、イランが中東各地の代理勢力(特にイスラエル国境に近い勢力)に殺傷兵器を送り込む能力を制限しようと、イラクやシリアを含むイランの在外資産に対する空爆を実施してきた。 アメリカ国防総省で政治軍事アナリストを務めていたジョナサン・ロード(Jonathan Lord)氏は、イスラエルはそこでの戦術的な成功は限定的だと気付いたため、「時間とともにこうした攻撃は秘密裡ではなくより公然と行われるようになり、それがどんどん増えていくのをわたしたちは目の当たりにしてきた」とBusiness Insiderに語った。 イスラエルはまた、イランの核開発を存立の脅威とみなし、妨害しようとしてきた。イランの核科学者を暗殺したり、テヘランの施設にサイバー攻撃を仕掛けてきた。"陰の戦争"は海上でも繰り広げられてきた。イランが先日、ホルムズ海峡でイスラエルと関連のある貨物船を拿捕したのもその一例だ。 緊張関係が続く中、両国はなんとか直接的な軍事衝突を避けてきたが、もはやそうもいかない。
Jake Epstein