笠島尚樹(敦賀気比高・投手) 総合力で勝負する145キロ右腕の未知なる可能性
日本ハム・金子弌大が理想だ。つまり、精密なコントロールとキレのあるボールを追求してきた。2度の甲子園で実力は実証済み。素材の良い右腕に対して、指揮官は近い将来の先発ローテ入りを確信する。 取材・文・写真=沢井 史 今夏の地方大会中止を受けた、福井県高野連主催の福井大会で3連覇を遂げた敦賀気比高・東哲平監督は試合後、安どの表情を浮かべてこう口にした。 「今年は本当に、難しかったです。(新型コロナウイルス感染拡大の影響で)練習の流れが例年と違う中で、コンディションがなかなか上がらなかったですけれど、よく投げてくれました」 そう言った視線の先にいたのが、エース右腕・笠島尚樹だ。 1年夏、そして2年生だった昨夏はエースとして甲子園のマウンドを踏んだ経験豊富なエースだが、今年は“異例の夏”に苦しんだ。春から夏にかけての歩みを、自身はこう振り返る。 「いつもなら春から公式戦、練習試合があるのに、実戦が少なかったので、段階が踏めなかったのは苦しかった。ただ、最後に悔いは残らないように、しっかり準備をしていこうと思っていました」 開催されると信じ続けた夏の地方大会と全国大会(甲子園)がなくなったものの・・・
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週刊ベースボール