「ゴースト・オブ・ツシマ」続編発表に米紙「ソニーのフランチャイズ戦略は理にかなっている」
累計販売数が1300万本を超えたPlayStation4のアドベンチャー・ゲーム「ゴースト・オブ・ツシマ」。その続編となる「ゴースト・オブ・ヨウテイ」が来年にPlayStation5版として発売される。 近年のゲーム業界ではフランチャイズ戦略が重視されている。興行的成功を収めた映画『スーパーマリオブラザーズ・ムービー』もその一例だろう。 今回の「ゴースト・オブ・ツシマ」も映画化が予定されており、米紙「ニューヨーク・タイムズ」はソニーの戦略を「非常に理にかなっている」と評価している。では、フランチャイズ戦略の強みとは何なのだろうか?
元寇を描いたゲームが世界でも人気
黒澤明監督の映画『用心棒』にインスパイアされた「ゴースト・オブ・ツシマ」は侍が主人公として登場する。その映画的な演出でプレーヤーたちを魅了した。 10月上旬、「ゴースト・オブ・ツシマ」の制作プロダクションであるサッカーパンチは続編となる「ゴースト・オブ・ヨウテイ」の発売を控えていることを発表。そのほかにも少なくとも1本の映画とスピンオフ作品を含む公式フランチャイズの始まりとなる。 「ゴースト・オブ・ツシマ」のクリエイティブ・ディレクターであるネイト・フォックスとジェイソン・コネルは、元寇が起きた1200年代の対馬と壱岐を舞台にした作品を描いた。評論家たちはこのゲームの歴史的な正確性を高く評価し、プレーヤーたちは続編を熱望していた。
続編の舞台は北海道
続作となる「ゴースト・オブ・ヨウテイ」では舞台が北海道の羊蹄山に移る。フォックスは続編についてこう語っている。 「続編の制作に取りかかったとき、最初に自分たちに問いかけたのは、『このゴースト・シリーズのDNAとは何か』ということでした。 それは、プレイヤーを封建時代の日本のロマンと美しさへと誘うことです」 「ゴースト・オブ・ヨウテイ」の着想は、2度にわたる日本北部への調査旅行中に得られたという。ワシントン州に拠点を置くサッカーパンチの製作陣は洞爺湖に映る羊蹄山の姿に畏敬の念を抱いたことを回想する。 「私は2時間ほど、ただただその山を眺めていました。それは素晴らしい眺めでした」 フォックスは自然の音を録音するために訪れた北海道北東端の知床国立公園の印象についても語っている。 「公園内では、クマについて注意喚起のビデオを見なければなりません。切り立った崖や水辺のある信じられないほど美しい公園にいて、同時に常に危険なクマがいることを意識しながら過ごす体験は、とても印象的でした。 私たちはその感覚をゲームに取り入れようとしています。つまり、危険が常にそばに潜んでいるような感覚です」