「STARTO社がダメだったら演歌、歌謡歌手を」原点回帰の気配漂う紅白出場歌手選出方法の舞台裏
演歌第7世代をそろって出場させる案
11月19日、『第75回 NHK紅白歌合戦』の出場歌手が発表となり、2年連続で『STARTO ENTERTAINMENT』(以下、STARTO社)所属のアーティストが出場しないことがわかった。 【賛否両論の初出場】すごい!紅白歌合戦初出場を決めた『Number-i』の3人 「NHKは性加害問題の被害者たちへの補償が進んでいることを評価し、元ジャニーズ事務所所属タレントの『紅白』へのオファーも試みていたようです。なかでもCDが抜群に売れている『Snow Man』と、若い層に人気の『SixTONES』という2組のカムバックを考えていましたが、STARTO社はさらに別の数組も希望したといいます。しかし、SARTO社との話し合いはまとまらず、『紅白』の出場歌手発表は例年より遅れてしまったようです」(音楽番組関係者) そこに10月20日、『NHKスペシャル ジャニー喜多川が築いた“アイドル帝国の実像に迫る”』が放送され、STARTO社の判断に大きく影響したことは想像に難くない。とはいえ、STARTO社のアーティストを『紅白』に出したい音楽番組制作班はギリギリまで交渉を続けていたという。 結果は今年もゼロだったが、そうなった時のために、NHKが春頃より考えていたのが、演歌や歌謡曲の若手歌手たちによる初出場枠を増やすことだった。 「数年前から“演歌第7世代”と呼ばれる20代の演歌や歌謡の歌手がレコード会社やプロダクションの垣根を越えて合同ライブを行ってきました。これは氷川きよし(47)の音楽活動休止に伴い、“ポスト氷川“として各社がデビューさせた実力派の新人たちが中心です。その中には、初出場を決めた新浜レオン(28)のほかに3名のイケメン演歌歌手がいました。今年の夏ごろは、『彼ら4名を全員出場させてはどうか』という案も出たと聞きました」(前出・音楽関係者) ◆「バーターの可能性」を報じる記事も… 最終的に、初出場の切符を掴んだのは新浜だけだったが、音楽評論家は「納得の選出」という。 「新曲の『全てあげよう』は、木梨憲武がプロデュース、所ジョージが作詞・作曲をしています。11月22日に発表された『第66回 輝く!日本レコード大賞』では、所が作曲賞を受賞しました。また、“紅白歌手”に選ばれるためには貢献度の高さも重要ポイントとなります。その点、新浜は、『のど自慢』や『うたコン』の常連であり、今年は『SONGS』で西城秀樹さんの『傷だらけのローラ』をカバーしたことも大きな話題になりました」(音楽評論家) その“貢献度”で考えると、上期の朝ドラ『虎に翼』の主題歌を担当していた米津玄師(33)と、後期の朝ドラ『おむすび』の主題歌を担当している『B’z』の名前がまだ発表されていない。 「毎年『紅白』はサプライズとして12月に入ってから大物歌手の出場を発表しますから、この2組の出場は確実といわれています。実は新浜と『B’z』は同じ事務所であり、新浜の『SONGS』(NHK)初出演は、松本孝弘(63)がメインの回のゲスト出演でした。 そのことから新浜の選出を『バーターの可能性』と報じた記事もありましたが、それは全く当てはまりません。『全てあげよう』はオリコンの演歌・歌謡ランキングで33週もベストテン圏内にランクインされましたし、1位も5回獲得しています」(前出・評論家) 氷川きよしも“特別枠”で出場するうえ、郷ひろみ(69)や『純烈』。山内惠介(41)、三山ひろし(44)という常連組もいる。紅組には47回出場の石川さゆり(66)に36回出場の坂本冬美(57)。29回出場の天童よしみ(70)。そして毎回、衣装で驚かせる水森かおり(51)は22回出場だ。『紅白』のメイン視聴者というべき年配層にとっては、間違いなく、こうした人選のほうが嬉しいだろう。 今年の紅白の評判によっては、来年、演歌・歌謡曲の歌手が一気に増えるかもしれない──。
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