“小さいヨーダ”は何者?ルーク・スカイウォーカーはどうなった?「スター・ウォーズ」初期に離脱した人が知らない事実
「スター・ウォーズ/ファントム・メナス(エピソード1)」から遡ること100年前の平和な時代を舞台に、ある事件をきっかけに忍び寄る“闇”の脅威を描くオリジナルドラマシリーズ「スター・ウォーズ:アコライト」が、6月5日よりディズニープラスにて日米同時独占配信中だ。「スター・ウォーズ」シリーズは長い歴史があり、オリジナル作品なども多数制作されており、いわゆる“3つの三部作”も全部は追えていないという人がいるのではないだろうか。そこで、今回は旧三部作まで、あるいは新三部作を含めて6作目までは見ていたという方に向けて続三部作(エピソード7~9)を含めた「エピソード6」後の注目トピックをいくつか紹介したいと思う。 【写真】後年の“レイア姫”とハン・ソロが体を寄せ合うシーン! ■“3つの三部作”とは? 1977年に公開された映画第1作「スター・ウォーズ /新たなる希望(エピソード4)」(公開当時のタイトルは「スター・ウォーズ」)に始まった「スター・ウォーズ」シリーズ。旧三部作と呼ばれるオリジナル・トリロジー「新たなる希望(エピソード4)」、「帝国の逆襲(エピソード5)」(1980年公開)、「ジェダイの帰還(エピソード6)」(1983年公開)が世界的に大ヒットを記録。時を経て1999年から2005年にかけて新三部作(プリクエル・トリロジー)の「ファントム・メナス(エピソード1)」「クローンの攻撃(エピソード2)」「シスの復讐(エピソード3)」も公開された。 さらに続・三部作(シークエル・トリロジー)の「フォースの覚醒(エピソード7)」「最後のジェダイ(エピソード8)」「スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)」が2015年から2019年にかけて公開され、“スカイウォーカー家の物語”が完結した。 新三部作はアナキン・スカイウォーカーの物語で、彼がいかにしてダークサイドに堕ち、暗黒卿ダース・ベイダーになったのかが描かれている。旧三部作はルーク・スカイウォーカーを主人公に、彼のジェダイとしての目覚めや成長が描かれ、「エピソード6」でダース・ベイダーと対峙(たいじ)するシーンはシリーズ屈指の名場面となっている。 そのルークは「エピソード7」以降にも登場しているが、「エピソード6」の後、彼が何をしていたのだろうか。それは、ジェダイを再興することだった。24歳というまだまだ若い年齢だったルークは“ジェダイ・オーダー(ジェダイ騎士団)”を復活させることができれば、ダークサイドが銀河を支配することを防げると考えたからだった。 ジェダイになったのが遅く、しっかりと誰かに弟子入りしたということではなかったので書物や文献で研究。ルークが最初に教えたのはレイアだった。弟子を取る予定はなかったが、ヨーダと同じ種族の“グローグー”と出会い、弟子を取ることに。ちなみに当初「グローグー」という名前は分かっておらず、“ザ・チャイルド”(50歳くらいだが長寿の種族なので“幼児”の段階だった)という通称で呼ばれていた。 ■グローグーが活躍するドラマシリーズも その愛らしい見た目から人気キャラとなっているが、“ザ・チャイルド”ことグローグーのことをより知りたいということであれば、オリジナルドラマシリーズ「マンダロリアン」や「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」を見れば理解が深められるだろう。「マンダロリアン」は、ダース・ベイダーの死から5年後の銀河を舞台に、賞金稼ぎ“マンダロリアン/ディン・ジャリン”を主人公とした作品で、フォースの力を秘めたグローグーとの危険な冒険が描かれている。「スター・ウォーズ」シリーズを深く愛する製作陣が「ジョージ・ルーカスがもし今続編を作るとしたら」という発想の下、制作した作品ということで深い「スター・ウォーズ」愛が感じられる内容に。ストーリーや世界観も丁寧に作り上げられている。ルークとグローグーの関係性をひもとくためには避けて通れないシリーズだ。 続いて続三部作を見ていない人に知っておいてもらいたいキャラクターが“レイ”と“カイロ・レン”。レイは砂漠の惑星ジャクーで家族を待ち続ける孤独な女性で、この三部作の主人公。フォースの力が覚醒し、銀河最後のジェダイ・マスターであるルークを捜して会いに行く。カイロ・レンは赤い十字のライトセーバーを操り、強力なフォースを持つ戦士。“赤”ということはダークサイドのキャラで、ダース・ベイダーを受け継ぐ存在だが、実はかつてルークの弟子でもあった。 レイ、カイロ・レン、そしてルークの3人の関わり、関係性が続三部作の見どころにもなっている。旧三部作で始まった「スター・ウォーズ」シリーズの中心にいるのは、やはり“ルーク・スカイウォーカー”。その前後の三部作、スピンオフなども含め、シリーズ作を見ることでパズルのピースが埋まるような感じに全貌が見えてくるので、途中で離脱していたという人も、「エピソード7」以降に登場したキャラクターたちの魅力を発見するつもりで楽しんで見てもらいたい。 なお、6月5日から配信中の「スター・ウォーズ:アコライト」はこれまでの実写シリーズの中で最古の時代の物語になるので、これをきっかけに見ればすんなりと「スター・ウォーズ」の世界に入れるかもしれない。壮大な物語のためハードルが高く今まで避けてきた人というは「アコライト」から入るのも一つの手ではないだろうか。 ◆文=田中隆信