<運命の出会い>高山一実 小説デビューへ導いてくれた先輩たち 湊かなえ、朝井リョウ、羽田圭介から贈られた言葉
ずっと憧れだった湊かなえさんは、小説を書く前の連載ではお会いできなくて、本になる段階で初めてお会いできたんです。「トラペジウム」の発売前ではあったんですが、湊さんの10周年を記念した小説「未来」(2018年)が発売されるタイミングで、初めて憧れの湊さんにお会いできて、私は涙が止まりませんでした。
「未来」を読んだときに、私が「トラペジウム」に書いているメッセージがここに書かれているから、もう「トラペジウム」を出さなくていいやと思ったんです。それを湊さんにお伝えしたら、「かずみんの言葉で、かずみんが書くことで絶対に意味があるから、大丈夫」と言っていただけた。すごくうれしかったし、湊さんの人柄にも改めてひかれました。
湊さんの作品はたくさん映像化をされていますが、「映像化で印象に残っていることはありますか?」とお聞きしたら、「エンドロールが流れたときに、これまでこんなにたくさんの人が関わってくれていたんだという見方になる」とおっしゃった。そういう発想はなかったなと思って。だから、今回の「トラペジウム」はエンドロールがすごく楽しみです。
また湊さんにお会いしたいから、そのためにはこれからも小説を書かないとな、とは思うんですけれど、今年、絵本「がっぴちゃん」を出版して、いったん絵本で頑張りたいと思ったんです。小説は「トラペジウム」で、25年間の自分のことをあまりにも書き過ぎたので。もうちょっと“自分貯金”、頭の中のストックがたまったら考えたいと思います。
◇プロフィル
1994年2月8日生まれ、千葉県出身。2011年、乃木坂46の第1期メンバーオーディションに合格し、2012年にデビュー。2021年11月にグループを卒業。「オールスター後夜祭」(TBS)のMCを2018年から務めているほか、「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」(テレビ朝日系)でもMCを務めている。デビュー小説が原作の劇場版アニメ「トラペジウム」(篠原正寛監督)が5月10日に公開。