ユニバE社長に約67億円の支払い命令-株主代表訴訟で東京高裁
(ブルームバーグ): ユニバーサルエンターテインメントが過去に行った海外への送金が適切な手続きを経ておらず会社に損害を与えたとして、同社の個人株主が富士本淳社長に賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は25日、一審判決を破棄し、富士本氏に対して約4349万ドル(約67億円)と年5%の金利の支払いを命じた。ブルームバーグが入手した判決文で分かった。
原告の株主の請求を棄却した一審の東京地裁の判決から一転して、株主の逆転勝訴となった。富士本氏が最高裁に上告するかどうかや、社長にとどまるかどうかが次の焦点になる。
東京高裁は判決で、送金を行った富士本氏に善管注意義務違反ないし忠実義務違反が認められ、同社に対し損害賠償責任があると結論付けた。また、富士本氏はこの送金について、取締役会決議を求める会社法の規定に違反するとした。
同裁判は、2012年5月に同社から4349万ドルが香港に送金されたことについて、富士本氏が取締役に課された善管注意義務ないし忠実義務に違反したかどうかが争われた。東京地裁は22年に、富士本氏の判断や送金について、著しく不合理とは言えないなどとして原告の株主の請求を棄却していた。
ユニバEは今後の対応について、判決内容を精査し、協議・検討のうえで決定するとのコメントを発表した。業績への影響は現時点では未確定だが、今後、開示すべきことが発生次第、速やかに知らせるとしている。
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