「田植えした途端に稲を食べられてしまう…」犯人はジャンボタニシ 佐賀県で初の「注意報」も
RKB毎日放送
店頭には徐々に新米が並び始めましたが、コメの品薄状態が続く中、佐賀県ではジャンボタニシが大量発生し、ところによってはコメの生産に打撃を与えています。 【写真で見る】コメの収穫にダメージ 佐賀県は初めて「ジャンボタニシ注意報」を発表 ■稲をあきらめ大豆を植え直した農家 佐賀市大和町の大島仁さんは、コメ農家。田んぼでは稲穂が少し色づき、10月から稲刈りが始まりますが、同じ大島さんの田んぼでもこちらは全く違います。 稲作をあきらめ、大豆畑に変えたのです。 大島仁さん 「いつもはやったことなかったんですけど、急きょ水を全部抜いて、大豆を撒きなおすという形にしました」 1か月前までは大豆ではなく、稲が植えられていましたが、田植えから20日経った7月23日には、8割近くの稲がなくなってしまいました。田植えの後に大量に発生したジャンボタニシに、稲を食べられてしまった、ということです。 大島仁さん 「今年は、定植して1週間くらいは、あんまり被害が出なかったので『大丈夫かな』と思って様子を見ていたら、1週間後以降にどんどん食べられ始めて。せっかく苗から一生懸命育ててきたのに、田植えが終わった途端に食べられるっていうのは、もう悔しいしかないですよね」 ■暖冬で冬を越すようになったジャンボタニシ コンクリートや稲に付着しているジャンボタニシの卵。ジャンボタニシは柔らかい草を好むため、田植え後の稲を食い荒らします。佐賀県の調査で例年の3倍のジャンボタニシが確認されたため今年6月、佐賀県は初めて「ジャンボタニシ注意報」を発表しました。専門家は「暖冬」が大量発生の原因だと指摘します。 佐賀県農業技術防除センター 善正二郎さん 「暖冬であれば、水田内での越冬率が高くなる傾向が出ています。今年は暖冬でしたので、ほぼ100%の越冬率と推計しています」 大島さんの場合、ジャンボタニシによる被害で収穫が1割ほど減ったということです。暑すぎる夏はコメの生育に影響しますが、暖かい冬もコメの収穫にダメージを与えています。
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