『ガールズ&パンツァー 劇場版』や『最終章』第4話で活躍する「継続高校」BT-42突撃砲のクリスティー式サスペンションとは? その成り立ちを探る!
2023年11月23日(木祝)から4D上映もスタートし、ますます人気が加熱する『ガールズ&パンツァー 最終章』。主人公・西住みほが乗るIV号戦車が試合開幕とともに撃破され、大波乱の試合展開となった第4話。対する継続高校は得意の機動戦を展開し、しかもフィンランドをモチーフとする学校だけに雪上戦にも長けている。そんな同校のミカ、アキ、ミッコが搭乗するフラッグ車がBT-42突撃砲だ。この自走砲は鹵獲した旧ソ連製のBT-7にイギリス製の榴弾砲を組み合わせたフィンランドの独自開発車輌で、足まわりにはアメリカ人技術者ジョン・W・クリスティーが発明した「クリスティー式サスペンション」が使用されている。ミリタリーファンやガルパンファンにはすっかりお馴染みのクリスティーだが、優れた自動車技術者であったにも関わらずなぜかクルマ好きにはその名は知られていない。そこで今回は『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話の情報とともに、クリスティーの前半生を彼の開発したクルマとともに紹介していこう。 【画像】『ガール&パンツァー』で活躍する「継続高校」のBT-42突撃砲の「クリスティー式サスペンション」とは何か?
継続高校のBT-42が大活躍!『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話
4D上映も始まり、現在展開中の『ガールズ&パンツァー最終章』第4話。冬季無限軌道杯もいよいよ準決勝を迎え、知波単学園に勝利した大洗女子学園と、強豪のサンダース大学付属高校を破って勝ち上がってきた継続高校との激しい雪上戦が第4話の見どころとなっている。 今回大洗女子学園と対戦する継続高校は、本拠地を石川県、学園艦の母港は金沢港に置く高校で、学校としての規模は小さく、資金難に喘いでいるが戦車道は盛んに行われているとの設定だ。校名の由来は第二次世界大戦中に北欧の小国・フィンランドと旧ソ連の間で発生した「継続戦争(第二次フィンランド-ソビエト戦争)」だと思われ、同校の戦車道部が所有するのは、旧ソ連から鹵獲したBT-7にイギリス製の旧式榴弾砲を組み合わせたフィンランド製BT-42を隊長車に、T-26やT-34などの旧ソ連戦車を戦力の中心とするほか、ドイツやフランス製の戦車も保有する。隊長のミカはフィンランドの民族楽器・カンテレを嗜むなどフィンランドとの縁が深い高校だ。 継続高校の初登場は2015年11月に公開された『ガールズ&パンツァー 劇場版』で、このときは文科省の策謀により廃校の危機に瀕した大洗女子学園を救うため、他校の戦車道部とともにミカ・アキ・ミッコがBT-42を伴って短期転校という形で助っ人参戦し、大学選抜チームと戦った。 このとき継続高校のBT-42はその快速を活かし、火力・装甲ともに勝る大学選抜チームのM26パーシング重戦車3輌を撃破したのは前回も述べた通り。 ミッコの「天下のクリスティー式、舐めんなよーっ!」とのセリフにもある通り、BT-42の独立懸架式クリスティーサスペンションはサスペンションストロークが大きく取れることから悪路走破性が高く、懸架装置(サスペンションユニット)を車体に内蔵することで被弾による損傷にも強く、さらにはBTシリーズの履帯を外して車輪走行が可能という同車の特徴を活かして獅子奮迅の活躍を見せた。 今回の『最終章』第4話では、味方にしたときはあれほど頼もしかった継続高校が強敵として大洗女子学園の前に立ち塞がる。しかも、試合序盤に主人公・西住みほが乗るIV号戦車を長距離精密狙撃により失ったことで、残された大洗女子学園戦車道部は本シリーズ最大のピンチに陥る。 継続高校の戦力は前述のBT-42のほか、同じくクリスティー式サスペンションを採用し、第二次世界大戦時の最優秀戦車との呼び声も高いT-34、軽戦車のT-26、さらには同校の切り札的存在であるIII突撃砲G型という強力な布陣だ。両校の戦いの結末はぜひ劇場に足を運んで見届けてほしい。 https://youtu.be/KkxbBH11tzw
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