災害級暑さで「甲子園も変わる」 31日の東京は“暑さ指数32”=「運動は原則中止」 選手の命を守る“新しい工夫”とは?
■真夏の甲子園 選手だけでなく観客・審判も大変
このような厳しい暑さの中、8月6日(日)から夏の甲子園が始まります。 各地の地区大会の時点で、熱中症の疑いの事案が相次いでいました。今月16日の神奈川大会では、球審が暑さによる体調不良を訴えました。さらに、26日の神奈川大会決勝でも8回裏に、球審の足が硬直するなど体調不良を訴え、いずれも熱中症の疑いで試合が中断しました。 選手も大変ですが、審判や観客も大変です。
■夏場の練習時間を短く 夏バテしにくい体づくり 甲子園出場校の試み
では、甲子園出場校はどういった対策をとっているのか、今年の埼玉県の代表である浦和学院高等学校の野球部・田中宏部長によると「熱中症対策としては、夏の甲子園に向けては練習時間を短くしている。通常は1日4時間のところを、夏は1日『2時間』にしている」ということです。 短時間にすることで、選手も集中して取り組むことができ、かつ熱中症対策にもなります。また、今年から新たに始めたこととして「水分補給をする際に、ただの水ではなく、アミノ酸のサプリを水に溶かしたものを飲むなど、様々な対策をして、夏バテしにくい体づくりを目指している」といいます。
■5回終了後に「クーリングタイム」実施
今年の甲子園では、暑さ対策として試合のルールも変更します。 日本高校野球連盟によると、今年の大会から、5回の終了後に「クーリングタイム」を設けて、10分間の休憩をとれるようにしました。 この「クーリングタイム」には… ◇選手はグラウンドには出ない ◇通路にクーラーや冷凍庫、サーモグラフィーなどを設置 ◇スポーツドリンクや首にかけるネッククーラーを用意 水分補給や体を冷却するための時間を設けました。 また、暑さ対策などの役割が増えていることから、ベンチに入れる選手の人数を2人増やし、20人になりました。 ◇ 一昔前、真夏でも一般的に行われていたことが、今やもう常識外れになっています。練習でも試合でも、命の危険がありうることを前提に、いま新しい工夫をする必要性が高まっています。 (2023年7月31日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)