「今は怖さがそれほどない」対峙した堂安律が語った“バイエルン低迷の理由”「今までは...」【現地発】
「自分がバイエルンとやって一番強く感じた時は...」
采配も裏目に出た。今季限りでバイエルン監督を退任することが決まった時、「これからは来季以降のことを考えて指揮を取る必要はない。カップ戦のつもりですべての試合に挑む」と話していたが、確かにその言葉通り1点差を守ろうと85分にはムシアラを下げて、フランス代表DFダヨ・ウパメカノを投入。でも守り切れない。相手の勢いを抑えきれなかった。 これまでにバイエルンと何度も対戦した経験がある堂安は、試合後に「バイエルンはいま調子が良くない」と話していたが、特にどこに感じているのだろう? 「圧倒的に個の能力の怖さが違いますね。自分がバイエルンとやって一番強く感じた時は、ザネいて、コマンいて、ニャブリがいてと、ウインガーに張られていた。今日はムシアラとテルとミュラーと、どちらかというと中に入ってプレーしてくるんで、比較的コンパクトにしやすいんですね、自分たちの陣形が」 25歳のレフティは「ただ、全盛期のときはロッベン、リベリーがいたりとか、コマン、ザネがいたりとか、外に張られていると、もうそこで完全に1対1になっちゃう。チームで守るというよりも、個人技で負けるような内容になっちゃうし、今まではその状況を作られていた。その怖さが今はそれほどない。そこが一番大きいですかね」と続けた。 ペップ・グアルディオラもバイエルンの監督時代はロッベンとリベリーを最大限活用する戦い方をしていたし、1対1で相手に脅威を与えるウイングがいる価値をいつも認めていた。それがバイエルンの怖さの象徴でもあった。負傷者続出とはいえ、ピッチ上に怖さをもたらす選手がいないというのはなんとも寂しい。 取材・文●中野吉之伴
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