おしゃれな眉毛の作り方──アートメイク・アーティスト多田亜樹博に聞く!
眉毛前線に異常あり! セルフメンテナンスから、アートメイクまで眉毛メンテナンスの今を探る。俳優やミュージシャンのヘアメイクであり、アートメイクを施術する多田亜樹博にインタビューした。 【写真を見る】アートメイクって思っていたより自然! 症例写真をチェック!
髪よりも眉
スキンケアが当たり前の習慣となり、メンズメイクの新しいプロダクトが毎月のようにリリースされている。とりわけ王道とも言えるのが眉毛へのアプローチだ。ヘアメイクとして雑誌や広告の最前線で活動し、サロンワークやアートメイクなど多方面で八面六臂に活躍する多田亜樹博は「眉は一番大事」と説く。その心は? 「眉毛は、顔面の中では第一印象を決定づける、ヘアスタイルと同じと言っても過言ではないポイントとなるパーツです。人それぞれ持って生まれた眉毛がある一方で、時流に乗ったスタイルも存在します。例えば眉毛を整える際、ひと昔前までは眉山をいじることはご法度で、まず眉山の高さを決めて、それから眉頭と眉尻の位置を決めて形作るというのが一般的でしたが、今では眉頭を削るのが主流になっています。現在は平行眉といって、眉山を削って目の形と平行になるような形に整えるのが人気です。韓国の人気アーティストがほぼ平行眉なので、大きなトレンドだと思います」 人気の平行眉をキープするには、毎日のセルフケアが重要。その際に必要となるのがコームと毛抜き、シェーバーの3つ。またお手入れの際に大事なことは「切りすぎないこと」と多田は念押しする。 「カットをしすぎると毛がツンツンに立った状態、いわゆる”坊主眉”状態になってしまうので注意。セルフカットをする際、コームですくった毛先、つまり眉毛のシルエットラインから5mmほどはみ出る長さの部分を切ると毛流れが残り、毛の表情を作りやすくなります。あと薄い人は自分で描くのも有効。アイブロウペンシルを使って、毛流れを描いてください。ペンの色味はたくさんありますが、使うのは黒で十分。最初は描くのが難しいかもしれませんが、描いているうちに上手くなっていきます」 ■最短の解決歩法、アートメイク セルフケアにも限界がある。それならば、アートメイクが最大にして最短の解決だと多田は言う。この技法は、表皮層にインクを注入し着色して眉を描画する施術。日本でもじわじわと浸透しつつある。多田は日本ではまだ少ない男性のアートメイクアーティストでもある。 「アートメイクの仕組みはいわばタトゥーと同じです。ただし、インクを注入するのは表皮層まで。この場合、皮膚のターンオーバーによってインクを入れても時間の経過とともに薄くなります。とはいっても汗や水で落ちることはなく、お風呂上がりやすっぴんの時でも、メイク後と同じような眉=顔でいることが可能です。毎日のケアが面倒な人はもちろん、加齢やそのほかの原因で眉毛が薄く悩んでいる人にはおすすめです。私が現在勤務している『BMC CLINIC南青山』国内アートメイクシーンにおける草分け的なクリニックで、実績も豊富です。アートメイクは医療行為で、施術するには資格が必要です。しかし資格を保有していても、その人の顔に合うおしゃれな眉を常に提案してくれるわけではありません。日本でもこれから認知度が高まれば、私のようにファッションの現場や美容室を経た、より実践的な技法を持つアートメイクアーティストが増えるんじゃないかなと思っています」 アーティストによるが、日本での施術料金の相場は5~10万円ほど。個人差があるが1年から2年は持つそうだ。眉毛は年齢とともに薄くなる傾向があり、眉が薄いとどうしても老けて見られてしまう。だが、逆に考えれば眉毛がしっかりとあるだけで、眉毛も心の若々しくなれるということ。そう考えればこの金額も、決して高くはないはずだ。 ■多田亜樹博(ただ・あきひろ) アートメイク・アーティスト 美容室「Deapres」代表取締役会長。美容師として現場に立つながら、雑誌や広告で俳優やアーティスト、アスリートなど多くの著名人のヘアメイクを手がける。さらにアートメイクアーティストとしても活動するという”美の三刀流”保持者。IG:@t.akihiro_artmakeup ■BMC CLINIC南青山 住:東京都港区南青山3-3-3 リビエラ南青山B館4階 TEL:03-6450-3904 営:月~土:10:00~19:00 日祝:~17:00 休:不定 URL bmcc.jp
文・オオサワ系 写真と編集・岩田桂視(GQ)