『SLAM DUNK』に『マリオ』…2023年映画興収、史上初の「100億円超えはみなアニメ」も「原作へのリスペクト」なければ散々な結果に
1月30日、日本映画製作者連盟は、2023年映画興行収入ランキングを発表。興行収入のトップ3は、いずれも100億円を突破する結果となった。100億円を突破した作品が3本以上になるのは、2000年以降、6回め。 1位を飾ったのは『THE FIRST SLAM DUNK』(158.7億円)。2位に『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(140.2億円)、3位に『名探偵コナン 黒鉄(くろがね)の魚影(サブマリン)』(138.8億円)と、トップ3にアニメ作品が並んだ。100億円を超えた作品がすべてアニメになったのは、史上初となる。 ネットニュースのコメント欄では、アニメ作品が台頭したランキング結果に好意的な意見が多数、寄せられた。 《日本の強みがいよいよ全面的に出てきましたね。昔から評価された日本のアニメが、ここ最近の映像技術と相まってすごく魅力的なんでしょう》 《やっぱり日本は漫画アニメ特撮の国でした》 邦画トップ10のうち、アニメ作品が6作品、マンガ原作の実写映画は2作品。アニメ・マンガの台頭が見られる。今後もこの傾向は続くのだろうか。 「アニメ映画は『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』が、公開1カ月で興行収入50億円を突破して大ヒット。1月19日に公開されたばかりのマンガ原作の実写映画『ゴールデンカムイ』は、公開3日で5億円と順調な滑り出し。 とくにマンガ原作の映画は、原作の人気があれば、それなりに観客数は見込まれます。さらに『カムイ』は、出演陣が役に憑依したような熱演、世界観を原作に寄せていることも大きいですね」(映画ライター) ただ、なかには人気マンガが原作であるにもかかわらず、鳴かず飛ばずになることも。 「原作ファンが納得できない改変がある場合は、ネットなどで悪評の口コミがつき、集客力が活かされません。実写が原作を超えるクオリティ、あるいは実写ならではの見どころを作れないと、観客が離れていってしまいます」(同前) 原作が人気マンガでも、実写版にうまく昇華できなかった作品もあるという。 「『進撃の巨人』ですね。実写化の悪いところが出てしまった例のひとつです。2部作で製作されましたが、興収は前編32.5億円、後編16.8億円と散々な結果でした。原作へのリスペクトのない改悪の数々や、演技力に疑問符がつくアイドル俳優などが原因といわれています」(同前) 2024年も2023年に負けず劣らず、アニメ映画・マンガ実写映画は公開される予定。間違いなく、映画業界のけん引役になるはずだ。
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