「尖閣の歴史知って」 遭難事件のノンフィクション寄贈
石垣市出身の元角川書店専務、桃原用昇氏=東京在=は27日、石垣市に尖閣諸島に関する書籍を寄贈した。「尖閣1945」(門田隆将著、産経新聞出版)と、月刊Hanada1月小春号(飛鳥新社出版)で、それぞれ110冊。今後、市内の学校や公民館に配布される予定。 「尖閣1945」は、ジャーナリストの門田隆将氏が取材し、終戦直前の1945年に起こった尖閣諸島戦時遭難事件を取り上げたノンフィクション作品。 石垣島から台湾に向かう疎開船が米軍機に攻撃され、生き残った民間人が魚釣島に漂着したが餓死者を出した事件をもとにした。 月刊Hanada1月小春号では、門田氏と中山義隆市長の対談を収録した。 桃原氏はコメントを寄せ「尖閣で起こった悲惨な歴史を知ってほしい。書籍を読み、学んでもらえればありがたい」と期待した。 中山市長は「尖閣1945では、遭難事件の詳細が書かれている。貴重な書籍だ」と評価。桃原氏の寄贈に感謝した。 崎山晃教育長は「中学で尖閣について授業で学ぶ。尖閣1945は読みやすく、事件をより深く理解できる」と指摘。児童生徒の学びが深まると期待した。 中山市長は1月の尖閣調査で同行した市議や職員と共に尖閣遭難事件の洋上慰霊祭を調査船で実施した。同事件を巡っては、現地に慰霊碑を建立すべきとの意見も出ている。