NMB48・安部若菜「すごく生きやすくなった」、 “アイドル作家”としての胸中を語る
NMB48の安部若菜が執筆した小説「アイドル失格」の実写ドラマ化が決定し、同じNMB48のメンバー・山本望叶主演で、2024年1月13日(土)夜11時よりBS松竹東急(BS260ch・全国無料放送)にて放送がスタートする。同作は、現役アイドルとファンによる恋愛模様を描いた青春ストーリー。本記事では原作者である安部にインタビューをおこない、ドラマ化に対する想いや、作家としての苦悩や展望などを語ってもらった。 【写真】”顔面国宝”と称される山本望叶の微笑み ■文章を読まれるのは「水着になるよりも恥ずかしい」…それでも書く理由とは ――“禁断の恋”が描かれている「アイドル失格」ですが、本作は想像で書かれたのでしょうか?それとも、いろんな人に取材をして物語を書かれたのでしょうか? そうですね…両親とかに「どんなデートしてた?」とか話を聞いたりしました(笑)。でも、SNSを通して距離を縮めていくっていうのは、現代ならではだなぁって思いますし、それは何となく自分でも想像しやすかったですね。 ――では、何か構想があって温めてたというよりも、考えながら書いていた感じですか? そうですね。ふんわりとしたストーリーは決めていたんですけど、細かいところは書きながら進めていきました。結末も最初は決めずに書き始めて、だんだん決まっていったっていう感じですね。なので時間はかかりましたね。 ――「カドブン」に掲載されているエッセイでは、「私の文章を読んでいただくのは水着になるよりも恥ずかしい」と漏らしていました。実際にものづくりはある意味内側をさらけ出す作業で、アイドルはそういったところを見せずに楽しいものを提供するという、少し相反する部分があると思うのですが、その辺りはどのように折り合いをつけていましたか? アイドルって本当に完璧な姿だけを見せるアイドルもいれば、今は弱い部分でさえも自分のプラスにしていくようなアイドルもいたりして…私はどちらかというと後者の方だと思うので、私の小説を読んでくださったファンの方からも「もっと(安部さんのことを)知れた気がして嬉しかった」っていう声も多くいただきました。 でも自分としてはやっぱりあまり知られたくない部分というか…「こんなネガティブな感情を持っていたっていうのを書くことは、アイドルの自分としてマイナスなことでしかないんじゃないかな?」とはずっと思っていましたね。 ただやっぱりそこは割り切って、それ以上に「面白い小説を書きたい!」っていう想いが強くて、書くことを決めました。そしたら結果的にアイドルとしてマイナスになることもなかったので、本当にやり切って良かったなって思います。 ドラマ化などによって、今後はよりたくさんの方に広まると思うので、アイドルとしての自分よりも、小説を先に知ってもらうことも増えていくんじゃないかなと思うので、それは不思議な気持ちですね。 ■作家としての夢は「連載を持ちたい」 ――本作を生み出した際に、自分のリアルなアイドル活動に何か影響はありましたか? そうですね、すごく生きやすくなったっていうのはあります。ネガティブな部分とか、しんどいところとかってアイドルとしてファンに見せちゃいけないっていう想いがあったんですけど、ただ愚痴として吐き出すんじゃなくて、こういう消化のさせ方があるんだなっていうのも勉強になりましたね。あとは自分の中で書くのも楽しいし、それが作品として生み出せるっていう喜びも大きかったです。 ――今回、安部さんの書かれた小説のドラマ化が決まりましたが、ドラマをきっかけに“作家としてこうなりたい”というような「作家ドリーム」があればお聞かせください。 「作家ドリーム」で言うと、どこかで連載を持ちたいなと思っています。例えば小説を連載するのか、エッセイみたいなものを書くのか、小説だけじゃない“書く仕事”っていうのをもっとしたいなと思ってますし、本も2冊目3冊目とたくさん出していきたいですね。 今回は“アイドルがアイドルの話を書いた”っていうので見ていただくことが多かったんですけど、ゆくゆくは自分の書きたいものを書いて、たくさんの人に「文章を読みたい!」と思って本を手に取ってもらえるような人にはなりたいです。 ――“書きたいもの”はご自身の中で明確にありますか? やっぱり改めて考えると、2作目を考えるにあたって「書きたいものってなんだろう」っていう壁にはぶつかりました。 ■2作目は「“夢を追う人の話”を書きたい」 ――「アイドル失格」のドラマをどのように楽しんでほしいですか? アイドルとファンの恋愛っていうのはイレギュラーなものなんですけど、きっと物語に共感したり登場人物に共感する人も多い話だと思っています。 夢とか将来のことって誰しもが一度は悩んで、きっと今も悩んでいる人がたくさんいる中で、このドラマを見て自分がやりたいことに改めて目を向けるきっかけになったら嬉しいですし、単純に恋愛ドラマとしても、ドキドキしたりキュンキュンしたりしながら見てほしいです。 ――「2冊目をつくりたい」っていう気持ちはありますか? すごくあります。今もそれに向けて動いてるところです。今回は“アイドルになってからの夢”だったんですけど、2作目は“夢を追う人の話”を書きたいなって思いますし、人間の弱い部分も書けたらなと思います。 でもドラマ化をきっかけに小説ももっとたくさんの方に読んでいただきたいですし、本が爆売れしたら良いなって思います(笑)。