母に「自分の年金は6万円くらい」と告げられました。パートでも真面目に働いていたと思うのですが、なぜそんなに少ないのでしょうか…?
老後に親がどのくらいの年金をもらえるのか、子どもとしては気になるものでしょう。長年パートを続けてきた母親の年金が6万円と聞くと、その少なさに驚いてしまうかもしれません。 本記事では、老後の年金が6万円程度になってしまう理由について分かりやすく解説します。また、老後のお金を少しでも増やす方法も紹介します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
国民年金のみの場合は満額でも月7万円弱
年金は大きく、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つに分かれます。会社員などで、厚生年金に加入していた期間がある人は、老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受け取れます。しかし、パート勤務で加入しているのが国民年金のみの場合、老齢基礎年金しか受け取れません。 令和5年度の老齢基礎年金の満額は年額79万5000円です。20歳から60歳になるまでの40年間の保険料をすべて納めた場合に、満額の老齢基礎年金を受け取れます。月額では6万6250円です。つまり、国民年金のみの場合は満額でも月額では7万円にも満たず、母親が「6万円くらい」と告げたのは、決して少なめに言っているのではないでしょう。
老後のお金を少しでも増やす方法
前記の金額はあくまで令和5年度の金額です。令和6年度は月額6万8000円、年額81万6000円へ2.7%の引上げとなりますが、母親に実際に年金が支給されるときには金額が下がっている恐れもあります。老後のお金を少しでも増やすための方法として、以下の2つの方法が挙げられます。 ・年金の繰下げ受給をする 年金を65歳で受け取らずに66歳以後75歳までの間で繰り下げて受給した場合、増額した年金を受け取れます。増額率は、「繰り下げた月数×0.7%」です。例えば、年金を66歳から受け取るようにした場合には、8.4%アップできます。大きな効果は期待できませんが、受け取れる金額が少ない場合には検討しやすい方法のひとつです。 ・引き続き仕事をする 65歳以降も再雇用や再就職などによって仕事を続ける人が増えています。引き続き給与を得ることで、経済面の不安を軽減できます。ただし、高齢者では気力と体力の個人差は大きくなる傾向にあるため、実際に自分が65歳以降も対応できる仕事かどうか、慎重に見極めることが大切です。