高橋藍、最高峰舞台セリエAのプレーオフで19得点&MVP 昨季王者チーム破り決勝へ「最高でーーーす」
◆バレーボール男子 ▽イタリア1部 セリエA プレーオフ準決勝第5戦 モンツァ3(25―18、25―22、23―25、24―26、17―15)2トレンティーノ(14日、イタリア・トレンティーノ) 日本代表の高橋藍(らん、22)が所属するモンツァが、23季ぶりの決勝進出を決めた。3戦先勝のプレーオフ(PO)準決勝第5戦で、レギュラーラウンド(RR)1位のトレンティーノをフルセットの末に破り、3勝2敗で競り勝った。全セットで先発した高橋が最終セット15―15から、2連続でスパイクを決めて決着。19得点で今季5度目のMVPに輝き、チームを大舞台へ導いた。ペルージャとの決勝第1戦は、18日(日本時間19日)に行われる。 2時間半を超える死闘に終止符を打ったのは、高橋だった。最終セット、15―15のしびれる場面で高く跳ぶとレフトから豪快にアタックを決め、3度目のマッチポイントを奪取。続けて体勢を崩しながら、勝負を決める一撃をクロスに打ち込み「オー!」と叫んだ。チームメートの手を借りて起きると力強く右拳を握った。クラブ23季ぶり、日本人では05年にペルージャで準優勝した加藤陽一以来の決勝進出。移籍1季目で、大仕事をやってのけた22歳は試合後にXで「最高でーーーす!!!」と喜びを爆発させた。 モンツァが先に2セット連取も、昨季王者トレンティーノが粘って最終セットにもつれこんだ。苦しい中でも高橋は1―1でバックアタック、5―4ではブロックアウトを狙い得点。最後は2連続で攻撃を託されるなどチーム内での信頼の厚さを証明した。文句なしに、ルーベとの準々決勝を含むPOで3度、今季5度目のMVPに輝いた。 21年東京五輪で8強入り。さらなる成長を模索する中、日本代表のフィリップ・ブラン監督(60)の勧めもあり、日体大在学中に異例のイタリア挑戦を決めた。昨季まで在籍のパドバでは初年度RR11位、2季目PO7位。3季目の今季は「昨季よりも上に行く」とモンツァに移籍した。強豪チームに身を置き、各国代表レベルの選手の技術、そして「メンタルの強さ」に刺激を受ける日々。左足首負傷で約3週間の離脱もあったが、成長し続けている。 「ファイナルでどれだけ力を発揮できるか」と今季開幕前からイメージした決勝。相手は今季のイタリア杯決勝で1―3と敗れたペルージャだ。昨季RR無敗の強豪に雪辱し、クラブ史上初、日本人では03年の加藤(当時トレビーゾ)以来、21年ぶりの頂点に挑む。金メダルを目指すパリ五輪イヤー。高橋が世界最高峰の舞台でさらなる輝きを放つ。 ◆セリエA イタリア代表を中心に世界のトップ選手が集結する。昨年10月に開幕し、今年3月まで12チームによるRR22試合が行われ、成績で上位8チームがPOに進出。3~4月のPOは準々決勝から3戦先勝のトーナメント形式で行われ、RR5位のモンツァは準々決勝で同4位のルーベを破り、3季ぶり4強入りを決めていた。石川祐希が所属するミラノは2季連続で4強入りし、準決勝はペルージャに1勝3敗で3位決定戦に回った。 ◆ミント・ベロバレー・モンツァ 1999年にイタリア北部の都市・モンツァで創設。2000~01年季に前身チームでセリエA準優勝。下部のB1を経て、14~15年季からセリエAへ。20~21年季に4位。22~23年季はRR7位。今季はRR5位、イタリア杯と欧州のCEVチャレンジカップは準優勝。
報知新聞社