テストの結果が悪かった時、どうする?「だから、勉強しなさいって言ったでしょ!」よりも子どもを前向きにする「励まし方」【元教師が解説】
テストの結果が振るわなかった時、どんな声かけをしていますか? 保護者のかたの中には、「励ますつもりがいつの間にか説教モードになってしまい、険悪な雰囲気になってしまった」という経験をお持ちのかたもいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、お子さまがテストの結果を次への糧としてとらえられるようになる声かけについてご紹介します。
テストの結果が悪かったときのNGな励まし方
テストの結果が悪かったときは、励まそうと思っても、つい驚きやショックのあまり間違った声かけをしてしまいがちなものです。次のようなNGな励ましをしてしまわないように注意しましょう。 【「だから、もっと勉強しなさいと言ったでしょ」と叱る】 テストの結果がダメだった時、特にテスト前のお子さまの学習が不十分だと感じていた場合は、「だから、もっと勉強しなさいと言ったじゃない!」など、ついきつく叱ってしまうこともあるのではないでしょうか。 しかし、お子さま自身、テストの結果がダメだったのは自分の勉強が足りなかったせいだと、言葉には出さずとも十分認識しているはずです。そのうえでさらに叱ってしまうと、「あなたは、本当にダメな子ね」と念押しされているように感じ、さらに自信を喪失してしまいます。 また、次のテストからは保護者のかたに結果を見せなくなってしまうということにもなりかねません。まずは、点数だけを見て叱らないということが大切です。 【安易な励ましをする】 「こんなこともあるよ。次また頑張ればいいじゃない」という安易な励ましの言葉も注意が必要です。叱られるよりは、お子さまの心は軽くなるかもしれません。しかし、場合によっては、「自分のショックをわかってくれない」「簡単に『頑張れ』って言うけど、どうすればいいの?」と、反発されることもあるかもしれません。
テストの結果が悪かったときの励ましの3つのポイント
テストの結果が思わしくなかったときには、3つの点を意識した励ましが重要です。テストの結果が悪いことは本人も十分承知しているもの。点数にフォーカスするのでなく、原因を探ったり、今後の計画を立てたりと前向きな取り組みにつなげていきたいですね。 【お子さまの気持ちに共感を示す】 何よりも大切なのは、まず、お子さまがテスト結果に対してどのように感じているのかを聞いて、その思いに共感し、受け入れてあげることです。「悔しい」と感じているのであれば、「頑張って勉強していたからこそ、悔しいよね」と受け止めてあげましょう。努力していた姿を見ていたのであれば、その姿勢を認めて褒めたうえで共感を示してあげられるといいですね。 お子さまによっては、「テストなんてこんなものじゃない?」と、あまり気にしていないような受け答えをすることもあるかもしれませんが、それでもぐっと我慢。まず、その言葉に寄り添ってあげましょう。 【結果の原因を考えられるような質問をする】 テストは点数という結果を見て一喜一憂するのでなく、その原因を考えて次に生かしていくことが大切。そのため、なぜ、このような結果になってしまったのかを、お子さま自身が冷静に振り返ることができるように、より具体的な質問を重ねていきましょう。「平均点と比べてどうだった?」「どこが特に難しかった?」などと、テスト内容に関する具体的な質問を重ねることで、「テスト自体が難しかったんだ」「基本問題はできているけど、応用の文章題ができていなかったんだ」など、客観的、具体的に、テスト結果を振り返ることができるようになってきます。