40代以上の女性に急増する「腱鞘炎」テーピングの「H貼り」&「手の甲マッサージ」で痛みを軽減!
若いときは、腱鞘炎になってもその部位を休めることで、自力で回復することができるのだが、更年期をすぎて女性ホルモンが減少すると、自力で治すことが難しくなるのだそう。 「エストロゲンは女性の肌を美しくする働きのほか、腱や腱鞘の柔軟性を保つ働きもあります。ところがエストロゲンが減少すると、腱や腱鞘の柔軟性が低下することで、腱鞘炎になりやすく、また治りにくくもなるのです」 腱が突っ張ると、つい腕のストレッチをしがちだが、実は、ストレッチは禁物だと高林さん。 「硬くなって縮んだ筋肉を無理やり引っ張ろうとしているようなもので、ストレッチをすると、より炎症部分を傷めてしまいます。間違ったセルフケアをしていては、なかなか改善しません。むしろ筋肉を緩める軽いマッサージをおすすめします」 図のように人さし指、中指、薬指の手の甲側の第2関節から手の甲までをもう片方の指の腹でやさしくマッサージする。しばらくマッサージをすると、腱がほぐれ、痛みが和らぐのがわかる。 ■H形にテーピングすることで痛みが軽減される そして、テーピングをして腱を保護する。今回おすすめするのは“3本H貼り”だ。 テーピングには、キネシオテープと呼ばれる伸縮性のあるテープを使用しよう。キネシオテープはドラッグストアや薬局、スーパーなどで市販されているもので、幅5cmのものが一般的だ。 これを腕の外側の腱に沿って1本、肘の近くに腕をぐるりと囲むように1本、そして手首近くに1本巻く。 巻くときは、テープの両側を軽く伸ばしながら腱を圧迫するように上半周を巻き、下半周はそっとテープを留める。自分では難しいので、家族や友人など誰かにやってもらおう。 そして、テーピングは、必ず腕を少し曲げた状態で行うこと。腕の筋肉がリラックスして最も細くなっている状態で圧迫することで、腱を緩ませることができる。 「H貼りテーピングをすることで、肘から手首の腱が全体的にサポートされて、腱と腱鞘のすれが少なくなるため、痛みが軽減され、動かしやすくなります。 また、テーピングをしたらできるだけ、手や指を休ませるようにしてください」 正しいケアをすれば、痛みも症状もちゃんと改善されて、以前の日常に近い生活を送ることができるようになるのだそう。 手首や肘の痛みに悩まされている人は、ぜひ実践してみてほしい。 【PROFILE】 たかばやし・たかみつ 数多くのプロアスリートやオリンピック選手の施術も行っており、テレビ出演、著書多数。『腱鞘炎は1分でよくなる!』(ワニ・プラス)から出版(7/10発売予定)
「女性自身」2024年6月25日号