別海で野犬襲撃、牛6頭死ぬ 厚岸でも被害
北海道の別海町内上春別地区の牧場4カ所で5月下旬から今月中旬にかけて、飼育する牛11頭が野犬に襲われ、6頭が死んでいるのが見つかった。町は周囲にわなを仕掛けるなどの対策を講じており、道東あさひ農協では組合員に注意を呼び掛けている。 牛が襲われたのは5月28日(2牧場)、今月8日(1牧場)、同16日(同)。このうち最初に被害に遭った牧場では深夜に襲われたとみられ、育成牛舎内の生後2~3カ月の乳牛4頭が顔や下腹部をかまれて負傷、和牛1頭が下腹部などをかまれて死んでいるのが発見された。牧場従業員が野犬5匹を目撃している。 16日には共同牧場で、放牧している育成牛78頭が野犬7~8頭に襲われ32頭が柵の外に脱走。4頭が死んでいるのが見つかった。 被害の拡大防止にと、町と同農協、組合員が17日に協議し、翌18日に町がわなを設置した。同農協では「野犬による被害はこれまでなかったと聞いている。酪農産業にとってこれだけの被害が出ることは死活問題」とし、文書を配布して注意喚起するなど、できる限りの対策に取り組む。 なお、厚岸町若松地区では5月以降に複数の野犬が目撃されており、少なくとも2軒の牧場で放牧中の牛や馬が被害に遭うケースが確認されている。 別海町上春別地区から南西約50㌔に位置し、別海のケースと状況が似ていることから、関係者が警戒している。 標茶町では14日、茶安別の牧場敷地内で、野犬3頭が目撃された。家畜が襲われるなどの被害はなかったが、町役場が捕獲用のおりを貸し出し、現場に設置した。21日現在、罠に掛かった形跡はないという。
釧路新聞