首位テスラに詰め寄るトヨタ、EV不振で時価総額の差がスピード縮小
(ブルームバーグ): 2年半ほど前、テスラの時価総額はトヨタ自動車を1兆ドル(約155兆円)近く上回っていた。
現在でも自動車メーカーの時価総額はテスラが首位、トヨタが2位で、順位に変化はない。だが最近、両社の差は急速に縮小している。
23日に米株式市場が通常取引を開始する前の時点で、テスラのリードは約830億ドルだった。同社は引け後に決算を発表するが、四半期の売上高は4年ぶりに減少し、営業利益は40%落ち込むと予想されている。
テスラの時価総額は2021年11月初めのピーク時に、トヨタを9390億ドル上回っていた。レンタカー会社ハーツ・グローバル・ホールディングスから大量の注文が入った直後のことで、この注文でテスラの時価総額は初めて1兆ドルを突破した。
だがハーツの購入台数は結局、当初の計画よりも少ない台数にとどまった。さらにハーツは、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が製品価格を引き下げたことで予想外の損失を被った。
一方のトヨタはプラグインハイブリッドの消費者受け入れが広がると見込み、完全EVの投入に時間をかけたことで批判を浴びてきた。だがここ数カ月はEV販売の伸びが鈍り、トヨタの戦略は実を結んでいる。
アプタス・キャピタル・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、デービッド・ワグナー氏は「市場が短期のファンダメンタルズよりも壮大な物語を評価することを、テスラは熟知している。だが最近は潮目が変わり、全体的な成長見通しが過去に考えられていたほどではない可能性が見え始めた」と指摘した。
トヨタは4年連続で世界販売台数が首位。昨年の販売台数は1120万台に上り、テスラが売った181万台の6倍をも超えた。
トヨタの株価は年初来で36%上昇し、時価総額は57兆2800億円に拡大した。
原題:Tesla’s $939 Billion Valuation Lead Over Toyota Is Almost Gone(抜粋)
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Craig Trudell, Esha Dey