小中高生陸上クラブ新設へ 郡山四中教諭・増子大祐さん 競技普及と強化推進、体力低下にも危機感
陸上の世界選手権に出場経験を持つ郡山市の増子大祐さん(49)=郡山四中教諭=が2月、小中高校生向けのクラブチームを新設する。中学校の部活動と並行し、水曜夜と土日に市内外の希望者を教える。教員として「人づくり」の視点を大事にしながら、小学生に体を動かす楽しさ、中高生に専門技術を伝える。部活動の地域移行の受け皿づくりが課題となる中、注目の取り組みになりそうだ。 増子さんは安積高、福島大を卒業し、佐藤工業(福島市)に所属していた社会人1年目の1997(平成9)年に世界選手権アテネ大会の男子400メートルリレーに出場した。2006年に本県教諭となり、市内の中学校で陸上部顧問を務める傍ら、2022(令和4)年10月まで福島陸協ジュニア強化部長を14年間担った。 市内の小中学生は肥満傾向にあり、体力テストの結果は多くの年で県、全国の平均を下回る。危機感を抱き、クラブ「Do―Well(ジュエル)A.C.」の設立を思い立った。
東邦銀行陸上部に所属していた田嶋和也さん(33)や福島陸協ジュニア強化部の教員、自身の教え子が指導で協力する。市内のHRS開成山陸上競技場などを練習拠点とし、入会金(7千円)、月謝(5千円)の他、個人、企業からの寄付金で運営する。 十数人で始動し、随時会員を募る。入会予定の相楽信太朗さん(12)=石川小6年=は「通える場所にクラブができ、陸上への意欲が高まった。フォームを学び、100メートルで10秒台を目指す」と意欲を示す。 県外では教員によるクラブチーム設立が盛んな地域もある。増子さんはジュニア強化部長として築いた人脈で他県の情報を集め、地域に合ったクラブの形を探る。「常に子どもの目線に立った指導を心がけたい」としている。 福島陸協の鈴木浩一会長(71)は「子どもがスポーツを楽しむ機会が増え、選手の練習環境の選択肢も広がる」と歓迎している。 ■あすから体験会 「Do―Well A.C.」は今月21、27、28、31の各日、無料体験会を開く。会場は21日が郡山四中、27日以降は日大東北高グラウンド。時間は21、28両日が午前9時から正午、27日が午後1時30分から同4時30分、31日が午後6時30分から同8時30分まで。問い合わせは増子さんへ。