マッチングアプリで増加するレイプドラッグ事件...法廷で明かされた卑劣な犯行と被告の母親の懺悔
女性に睡眠薬を飲ませわいせつ行為
「犯行は計画性を有し卑劣かつ悪質。被害者の肉体的、精神的苦痛は計り知れない」 マッチングアプリで知り合った女性に睡眠薬入りの飲み物を飲ませ、わいせつな行為をしたとして準強制わいせつなどの罪に問われた河合宏被告(45=逮捕時)の判決公判が11月5日に東京地裁で開かれた。裁判長は懲役7年6ヵ月の実刑判決を言い渡し、上記の言葉で断罪した。 【凶悪犯罪】卑劣...ガールズバーの18歳女性店員をメッタ刺しにした49歳男の画像 起訴状などによると’22年11月に東京・銀座の飲食店で、30代の女性がトイレに立った隙に睡眠薬を飲み物に混入させ、抗拒不能状態にした上でわいせつな行為を行ったという。 「河合被告はその場でキスを行ったようです。飲食店から女性をカラオケ店に連れ込み、陰部をもてあそぶ様子を動画で撮影し、さらにホテルに移動し性交に及びました。3人の被害者がおり、避妊具を付けずに性交したケースもあったようです」(全国紙司法担当記者) マッチングアプリの普及によりレイプドラッグ被害は増加傾向にある。 「睡眠薬は病院で不眠を訴えれば簡単に処方されます。すぐに体外に排出されるため証拠も残りにくく、泣き寝入りすることも多い。マッチングアプリで知り合い、初めて会った男性とその日に食事をするケースも増え、こうした事件は増加しています」(全国紙社会部記者) ◆犯罪は警官の目の前で行われた 加害者はわいせつな行為を行っている様子を撮影していることが多く、捜査の中で動かぬ証拠となっている。しかし被害者は動画が流出するのではないかと恐れ、被害届を出すことにためらいが生まれるという。 今回のケースはどうだったのか。逮捕時にこれを報じた『FNNプライムオンライン』(フジテレビ・’23年2月8日放送)によると、今回の被害女性は目が覚めるまでの記憶が全くなかったことを不審に思い、警察署に相談したことがきっかけとなり、築地署が河合被告の行動確認を開始。 その過程で、河合被告が女性の飲み物の中に液体状の薬品を入れた瞬間を目視で確認。その場で任意同行し、’22年11月の事件で逮捕に至っている。警察署員から被害の実情を知らされた女性のショックは計り知れないものがあったという。 「被告の自宅からは大量の睡眠薬も見つかりました。スマホには9つのマッチングアプリがインストールされ、2ヵ月という短期間に3件の事件を起こしており、かなり悪質です」(捜査関係者) 7月に行われた公判では、河合被告の母親の供述調書が読み上げられた。その中で河合被告について《口ベタで人との交流がうまくない》と述べる一方で、 《何度も一緒に旅行に行ったり優しい面もあります》 などと、母親思いな一面があると明かした。続けて、 《(被害者と)同じ女性として許しがたく思っていますが(河合被告は)すべて失い反省しています》 と寛大な処分を求めていた。下された判決は懲役7年6ヵ月。被害女性にとって、記憶のないなかで行われた犯行は、一生消えることのない深い心の傷を残した──。
FRIDAYデジタル