名古屋市美術館で「挑戦する日本画展」開催/愛知
名古屋市美術館(名古屋市中区栄)では、特別展「挑戦する日本画:1950~70年代の画家たち」を開催する。戦後社会において巻き起こった「日本画滅亡論」を超えて、1950年代から1970年代にかけて、新しい日本画の創造に取り組んだ画家たちの“挑戦する日本画”を紹介。 日本画の歴史は世の激動と共にある。幕末にヨーロッパから移入された油彩画である西洋画に対し、日本古来の伝統を継承する絵画の総称として、明治期に誕生した日本画。以降、近代化が進む日本で、「狩野派」、「琳派」に代表される江戸美術を基礎にしながら、ヨーロッパの近代美術の影響を受けて「近代の日本画」は形成されてきた。 第二次世界大戦後、激動する日本社会の現実に対応できない「近代の日本画」に対する批判として「日本画滅亡論」が登場。この日本画滅亡論という逆風が吹く中、意欲的な日本画家たちは古今東西の美術を学び、日本画の革新に取り組んだことによって「現代の日本画」が創造されていった。
同展は、総計50作家の作品78点から、日本画がいかにして「現代化」されたのかを再検討するもの。日展(堂本印象、福田平八郎、徳岡神泉、東山魁夷、杉山寧、高山辰雄など)、院展(岩橋英遠、片岡球子、平山郁夫など)、青龍社(川端龍子、横山操など)の代表作家をはじめ、戦後に誕生した革新的なグループである創造美術から創画会(福田豊四郎、広田多津、加山又造など)、前衛的なパンリアル美術協会(三上誠、星野眞吾など)やケラ美術協会(岩田重義など)、そして从会(中村正義など)や現代美術の作家(桑山忠明、李禹煥)まで、多彩な作家の作品が集結する。