特攻隊の記憶を後世へ! 零戦のような日産R33「スカイライン」は鹿児島からやってきました「1週間かけて5600本のリベットを打ち込みました」
内装は戦闘機のコクピット
ほかにも、純正スタンダードのままでは迫力に欠けるので、ワンオフ加工でエアロパーツを装着。オーバーフェンダーをプラスし、マシンのアグレッシブさを表現している。 外装よりもっと凄いのが内装の作り込みだ。まさに戦闘機のコクピットといった感じで、ダッシュボードはすべて外され、アルミ板で制御系パネルを製作し、各メーターを設置するほかに零戦のスロットルまで再現している。アルミむき出しのシートも良い雰囲気を醸し出しているが、これは航空機用ではなくローライダーのカスタムカー用として、イギリスで市販されているシートとのことだ。 リアトレイには燃料タンクを設置し、そこには片道燃料の文字を入れるこだわりよう。まさに神風特別攻撃隊の象徴として主張している。ちなみにこの燃料タンクはダミーではなく、燃料ポンプを別系統で引いてコレクタータンクとして使えるようにしていた。 このR33スカイラインが搭載するRB25DETエンジンはタービンを交換し、ブースト1kg/cm2設定でピークパワーは350psをマークするが、マーベリックさんはこのように話す。 「パワーがあってもリアにキャンバー角を付けすぎているため、フルパワーをかけるとホイールスピンの嵐でどうしようもないのです……」 特別な舞台となるOAMに出展ということで、特攻隊員の衣装を奮発して用意したというマーベリックさん。普段からこの隊員服を着用しているわけではないが、クルマは普段乗りにも使っている。今回も鹿児島県からOAMの会場であるインテックス大阪まで自走で来たというから驚きだ。 「鹿児島県の街中をちょくちょく走っているので、もし見かけたらぜひお声がけを!」 とは、オーナーであるマーベリックさんからOAM読者への伝言だ。
青木邦敏(AOKI Kunitoshi)