社会人から職業観聞く 飯南高1年生が車座トーク 三重・松阪
12人招き質問、進路など考える
三重県松阪市飯南町粥見の県立飯南高校(西川俊朗校長、212人)の1年生80人は28日午後1時10分から同校で、地域を学び場とした探究活動として社会人から「仕事をするって何だろう」をテーマに、車座になって仕事のやりがいなどを聞いて将来の進路などを考えた。 1年生の必修科目「産業社会と人間」の授業の一環で、社会人との対話を通じて仕事や生き方などについて学んだり、コミュニケーション能力を養ったりすることを目的に、今回初めて「車座トーク」を企画した。 この日集まった社会人は、地域住民や県教委職員、移住者、地域おこし協力隊員など12人。1年生たちは12グループに分かれてそれぞれ8分ずつ、車座になって話を聞き、質問した。 このうち今春、高校教諭から県教委に異動した小西悠二郞さん(44)=四日市市=は、スポーツ報知の記者を9年ほど経験した後、33歳で高校教員になった。生徒たちの「教師をしていてつらかったことは」の質問に「力不足で生徒の可能性を広げてあげられなかった」と答え、やりがいに関しては「高校生と関わって、いろんなことができること」と話した。「高校生のうちにやっておいた方がいいこと」には「友達をたくさんつくっておくこと。近くの人を大事にしてください」と語った。 卒業生の髙橋克良さん(70)=飯南町粥見=は、最初は自動車整備士を目指したものの、20歳で消防職員に採用されて40年間勤めた。「仕事は本当に大変。しかし人が困っている時に助けに行けることにやりがいを感じていた。努力は必ず報われるので、目標に向かっていってほしい」とエールを送った。 同校の小泉望琴さんは児童養護施設の職員を目指しているといい「自分の夢をかなえる力が大切ということを学びました」、秋田天希君は「夢はまだないけれど、人と話すことが好きなので、いろいろ考えていきたい」、橋本櫂君は「これから先いろいろな人と出会うので、そういった人たちとの関わり方を学んだ」とそれぞれ話した。