シンジェンタが30億ドル規模ESGローン確保へ、アジアで今年最大級
(ブルームバーグ): 農薬大手シンジェンタグループは30億ドル(約4480億円)規模のサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)の確保を目指している。実現すれば、環境・社会・企業統治(ESG)関連指標連動型ローンとしてはアジアで今年最大規模となる。
中国中化(シノケム)傘下のシンジェンタは今回のローンについて、中国農業銀行と中国銀行、中国建設銀行、クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンク、中国工商銀行、DBS銀行に業務を委任した。関係者は未公表案件だとして匿名を条件に話した。また、ローンは期間が3年と5年のトランシュに分割されるという。
SLLは昨年減少したものの、ここにきてアジアで復活しつつある。脱炭素化への取り組みを強化したいアジア企業は今年これまでに、こうした融資枠で460億ドル相当を調達しており、前年同期に比べ28%増加していることが、ブルームバーグの集計データで明らかになっている。
シンジェンタのシンガポール在勤メディア担当者に電話取材したが、返答はなかった。電子メールによるコメント要請にもすぐには回答がなかった。
関係者によると、調達資金は2022年に確保した期間3年のSLL(45億ドル)の一部の借り換えに利用する。この融資は当時、アジアのESG指標連動型融資としては最大級の一つだった。
原題:Syngenta Seeks $3 Billion ESG Loan, Asia’s Biggest This Year (1) (抜粋)
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Lorretta Chen