【チャンピオンズC】ガイアフォース、勝負の直行ローテ 安田記念4着以来半年ぶりも万全
<追い切りの番人> これぞ勝負仕上げ! 秋のダート王を決めるチャンピオンズC(G1、ダート1800メートル、12月1日=中京)の最終追い切りが27日、東西トレセンで行われた。G1注目馬の調教を深掘りする「追い切りの番人」では、大阪・奥田隼人記者が今春のフェブラリーS2着馬ガイアフォース(牡5、杉山晴)をチェック。安田記念4着から半年ぶりで臨む勝負の「直行ローテ」&「攻め強化」で、悲願のG1タイトルを狙う。 【写真】ガイアフォースでG1初制覇に挑む長岡禎仁騎手 ◇ ◇ ◇ 日本の総大将がジャパンCを制した余韻も冷めやらぬ栗東トレセン。そのドウデュースに3年前の新馬戦で首差2着と肉薄した未完の大器が、今週のチャンピオンズCで悲願のG1タイトル奪取に燃える。芝と砂の二刀流で活躍を見せるガイアフォースだ。今春のフェブラリーSでは初ダートながら2着と適性を披露。杉山晴師は「フェブラリーSのパフォーマンスを最大限に尊重して」と、砂王の座に狙いを定めた。 今回は安田記念(4着)以来、半年ぶりでのぶっつけ本番。だが、この直行ローテこそが、体質面などを考慮して師が選んだ勝負手に他ならない。前哨戦を挟むプランもあったが、レースの疲れが脚元に出やすいタイプ。前走後も骨瘤(こつりゅう)が出ていたという。「痛いところがなく、万全でいかないとG1は勝てない」。レースは使わず、代わりに中間は調教で攻めに攻めてきた。 前走後はまず患部のリハビリにあて、その後は牧場で乗り込んだうえで帰厩。追い日以外は坂路を1日2本上がるなど、今までにないメニューも課した。20日の1週前追いは坂路、併せ馬でいっぱいに追って、4ハロン49秒8-12秒0の自己ベスト。この日の最終追いも馬なりながら同51秒6-12秒0と速い時計をマークした。デビューから14戦、すべて最終追いは坂路だが、今回が最速。毎日のようにコンタクトを取っている長岡騎手は「ストライドが大きくなっていて、思っているよりも時計が出た。調子がいいんだと思う」と絶好調を伝えた。 「勝負にいく」。直行ローテでの中間の過程について、いつもはクールな杉山晴師が珍しく強気な言葉を発した瞬間に、ただならぬ勝負気配を感じた。未対戦の王者レモンポップなど春よりもメンバーは強化されるが「強い相手がそろったからこそ、今まで以上に調教の負荷をかけてきた」と仕上げに抜かりなし。芝、ダート合わせて6度目のG1挑戦で、今度こそつかむか。【奥田隼人】 ◆フェブラリーS2着馬の同年チャンピオンズC制覇 前身JCダート時代も含めて1頭だけ。14年にホッコータルマエが勝利している。ただ、2着は01年ウイングアローなどのべ4頭いて、全成績は【1 4 0 5】で連対率は50%と高い。