家庭支援の全国団体「社会的養育地域支援ネットワーク」が誕生 代表に李氏と橋本氏
子育て家庭を支援する団体でつくる一般社団法人社会的養育地域支援ネットワーク(社地ネット)が設立され、9月27日に設立記念フォーラムが開かれた。代表には全国児童家庭支援センター協議会の橋本達昌会長と認定NPO法人Learning for Allの李炯植代表理事が就任。今後、全国研究交流大会の開催や政策提言なども行うという。 今年4月から施行された改正児童福祉法は児童虐待の予防に向けて、自治体に児童福祉と母子保健分野を一体的に担う「こども家庭センター」の設置を努力義務化した。同時に、子育て家庭への新たな支援として▽家庭で家事などを行う子育て世帯訪問支援事業▽学校や家以外の居場所をつくる児童育成支援拠点事業▽こどもとの関わり方を学ぶ親子関係形成支援事業――の三つを制度化。従来の子育て短期支援事業や一時預かり事業も拡充した。 社地ネットは、こうした支援を行う事業者のネットワーク化を目指す。全国交流会や研修、コンサルティングも実施。調査研究活動や政策提言も行う予定だという。 代表理事に就いた李氏は2010年からこどもの学習支援や居場所作りなどを実施。これまで1万2000人を支援してきた。直営拠点でモデルを作り、ほかの団体にノウハウを共有して全国展開を進めることで、制度改革につなげてきた。 フォーラムで李代表理事は「地域支援の重要性は方向付けられたが、担い手の育成や質の担保、事業者で課題を共有する機会の創出は喫緊の課題だ」と指摘。「行政と民間機関のよりよい連携と質の高いこども家庭ソーシャルワークを実現したい」と語った。 また橋本代表は児童養護施設を運営する中で、入所前と入所後の支援に課題を感じていたと説明し、新たなネットワークへの期待を語った。