【NIKKE】2周年記念運営プロデューサーインタビュー。「願わくば5年、10年と」長寿タイトルを目指して【ニケ】
2024年11月4日でサービス開始2周年を迎える、SHIFT UPが開発、Level Infiniteが運営を手掛けるスマートフォン、PC向けシューティング・RPG『勝利の女神:NIKKE』(以下、『NIKKE』)。 【記事の画像(5枚)を見る】 2周年を記念してLevel Infiniteの『NIKKE』運営プロデューサーであるReed Lu(リード・ルー)氏にインタビューを実施。この2年日本市場を見てきて思うところやグローバルとの市場の違い、3周年やその先に向けて考えていることなどを伺った。 Reed Lu 氏(リード・ルー): Level Infiniteの『NIKKE』運営プロデューサー。どの国でパブリッシングするか、どのIP(知的財産)とコラボを行うか、ゲーム内イベントの企画、Pick upガチャの確率、新キャラクターの企画など、運営に携わるすべての部分をReed氏が統括している運営チームで行っている。 2周年を迎えて ――『NIKKE』が2周年を迎えられ、この2年間という時間をどう感じられていますか。: Reed:あっという間だったと感じています。振り返ってみるとリリースに向けて準備をしたのがついこのあいだのことのように思えます。 でも実際は、この2年間で数多くのバージョンアップや新規コンテンツの実装、他IPとのコラボレーションも実施できました。この点を踏まえると、あっという間ではありましたが、非常に濃密で充実した2年間だったと思っています。 ――1周年を迎えたころと比較して、感じかたに違いはありますか。 Reed: 1周年のころは「やっときた、1周年!」という達成感を味わっていましたが、今回は多くのプレイヤーの方がいまでも好きでいてくださっているということに、とても感謝をしています。 同時に多くのプレイヤーの方に支えられている作品であるということへの責任も感じています。これからも皆さんの要望に目を通し、可能な範囲で応えていきながらもおもしろいコンテンツを提供し続けていきたいと考えています。 ――1年目はSHIFT UPさんが開発で、Reedさんが意見を出しながらいっしょに作り上げていく形で運営されていたと思うのですが、運営体制ではこの1年で変化はありますか。 Reed: 運営体制はさほど変わっていません。ゲーム内外のイベントほぼすべて、私たちパブリッシングチームとSHIFT UPで話し合いながら決めています。運営を重ねるごとにお互いの信頼感は高まっていくのを感じておりまして、1年目よりスムーズになっていると感じることが多いです。 場合によっては意見が食い違うこともありますが、我々もSHIFT UPも最終的な目標は同じで、プレイヤーの皆さんにおもしろいゲームを提供することです。ですので、お互いの意見を尊重しつつも話し合いを続けて、双方が納得する形でプレイヤーの皆さんに自信をもって提供できるよう、切磋琢磨しております。 ――2年目の運営ではどんなところを意識しましたか? Reed: 1年目は新たに遊び始める方に向けて、ゲームの基本的なところの開発に力を入れていましたが、2年目は既にあるゲーム内コンテンツに対して補足する形で、バージョンアップを含めて力を注いできました。 いまでも続けてくださっている既存プレイヤーの方々は全体的にコアな方が多いので、飽きない仕組みを考えました。また、さまざまな方法・施策でより多くの方の目に止まるようにして、新規プレイヤーの獲得も目指しました。 ――オフラインイベントでは、コスプレイヤーさんを起用したリアル10連ガチャなどもインパクトがありました。 東京ゲームショウ2024『NIKKE』ブース。 Reed: そうですね、2023年に引き続きオフラインのイベントでは多くの方に話題としてあげていただいている“リアル10連ガチャ”。こちらも新規ユーザー獲得の一助となっていると考えています。 ただ、今後も同様の企画を展開していくのかは検討しております。新規プレイヤー獲得に向けて、皆さんを驚かせるような施策を展開していきたいので、私を含めたチーム一丸となって考えていければと思っています。 ――先ほど他IPとのゲーム内コラボの話も出ましたが、こちらもユーザー拡大のために実施しているのでしょうか。 Reed: はい。いちばんの目的はやはりユーザーの層を広げることです。コラボで新しいコンテンツを出して、これまで未プレイだった方々に楽しんでもらうとともに、既存プレイヤーの皆さんにもサプライズ感を与えられたらと考えています。実際に効果も出ており、毎回新規プレイヤーの獲得につながっています。 ――コラボの選定条件などはありますか。 Reed: 選びかたはいろいろあるのですが、たとえば世界観でいえば 『NIKKE』の世界とマッチすることが大事です。また、プレイヤーからの意見も大事にしており、アンケートやSNSなどのフィードバックで、皆さんはどのようなIPが好きなのか、需要はあるのか、親和性か高いのか。そういったところを見て決定しています。 あとは運営チームや開発チームがコラボレーションにむけてどれだけの労力を割き、どんなコンテンツを生み出せるのか、そういう要素も決め手となっていきます。 日本の市場を見て ――日本のゲーム市場について感じることを教えてください。グローバルの市場と比べて特徴的だと感じるところはありますか。: Reed: 日本のゲーム文化が後押ししてくれているのか、ほかの地域と比べると、日本はゲームに対する姿勢・ニーズの質などが高いと感じられます。そのおかげで私たち開発・運営チームのゲームをよりよいものにしていくという挑戦にもつながっています。 当社のデータを見ても、やはりアクティブユーザーの数も売上の割合も日本のプレイヤーがいちばんであることがわかります。キャラクターやコスチュームなど外見的な部分はもちろん、本作の重厚なストーリーも多くの日本人の方に気に入ってもらえているのではないか、と思っています。日本のプレイヤーの皆さんを満足させて、日本市場で生き残ることが、我々の最大の目標といえます。 ――日本市場をしっかりと意識して取り組まれていたんですね。それは開発段階から意識されていたのでしょうか? Reed: ジャンル柄、日本のプレイヤーに好まれる作風ではあると感じてはいましたが、開発段階では、日本をとくに重点的に意識したつもりではありませんでした。ニケたちの見た目やキャラクター性なども後押ししたのか、日本でリリースをしたらご好評いただき、いまの形になっています。 ただ日本は参考にする点が多く、二次元イラストやアニメといった文化も、日本では生活の一部となっていますよね。ですので、本作のグッズ展開もまずは日本のプレイヤーの好みを分析し、気に入ってもらえるよう展開を進めています。 ――グローバルと日本で、運営方針や実際の運営について、意図して差別化しているところもあるのでしょうか。 Reed: グローバル版と同じコンテンツを提供しているので、ゲーム内で大きく差異が生まれるようなことはしていません。ですが、各種プロモーション展開やSNS運用については各地域にあわせて色が出るよう、工夫はしています。 東京ゲームショウでのプロモーション展開や、ローカライズ時にお願いする声優さん選びも、日本の方のご意見を聞きながら進めています。今後もイベント出展やブランドとのコラボレーションなど、各地域ごとに「これだ!」と思う形でパブリッシングしていければと考えています。 ――これまで行ってきた施策の中で手ごたえがあったものはありますか。 Reed: プレイヤーの皆さんが好んでくれたかという視点ですと、ゲーム内でいうとこれまでのアップデートによる新コンテンツ提供や、新ニケ実装、期間限定イベントのアーカイブ化で過去の限定イベントがまた遊べる仕組みなどはしっかり評価をいただけているのではないかと思います。 ゲーム外であれば2024年は渋谷駅前の秋田犬時報の広告展開を実施したほか、本作の舞台化“NIKKE THE STAGE”や、ファンミーティングも実施できました。このあたりもプレイヤーの皆さんにサプライズという形で展開できたと思っています。 ――ゲーム内ですと、ボリューミーでリッチなミニゲームも、プレイヤーの皆さんからの評価が高いと感じています。 Reed: ミニゲームも毎回同じで単調なものでは皆さんへの刺激にならないので、毎回サプライズを提供し、新しい遊びを本作中で体験してもらえるよう、スタッフ一丸となって取り組み続けています。 たとえば、2024年夏のイベントで実装された『デイヴ・ザ・ダイバー』とのコラボ版ミニゲーム“イージス・ザ・ダイバー”は我々パブリッシングチームが主導となって企画を進めていたので、とくに思い入れも深く、多くのプレイヤーに高い評価とともに楽しんでもらえてよかったと思っています。 ――この1年間で良かった点・反省点をあげていただけますか。: Reed: よかったのは、まさにいまお話した 『デイヴ・ザ・ダイバー』とのコラボです。コラボ版ミニゲーム“イージス・ザ・ダイバー”はイベント中も調整を行いながら提供していまして、多くのプレイヤーにしっかり遊んでもらい、新たな遊びを堪能していただけたのではないかと思います 『デイヴ・ザ・ダイバー』コラボのミニゲームでは、海洋探索と寿司屋の経営のふたつのおもしろさをセットで味わうことができた。 Reed: 一方、「サプライズにつながる」と信じて提供したのにも関わらず、予想に反してプレイヤーからの反応が薄かったアップデートもありました。そういうものは何がダメだったのか原因を分析し、今後につなげられるように取り組んでいます。 ――ゲーム内のシステムも少しずつ変化していますが、今後マネタイズに関しての変化などもあるのでしょうか。 Reed: 申しわけないのですが、具体的に言及はできません。ただ、プレイヤーからのフィードバックとデータチェックは欠かしてませんので、これからのマネタイズの仕組みに関してもチーム内で話題が上がることもあるかもしれません。 ――変化する可能性はゼロではないと。 Reed: はい。 ――いろいろとお話しいただきありがとうございます。3周年に向けての展望などをお聞かせください。 Reed: 3年目に入るとメインストーリーも新たな展開へと進行していきますし、いままでとは違うニケもどんどん登場しますので、そうした変化する環境の中で、どのように皆さんに好かれるコンテンツやニケを生み出せるのかを課題として捉えています。 『NIKKE』は今後も息の長いタイトルとしてずっと運営していきたいなと思っています。願わくば5年、10年と続けていきたいというのが本心です。日本人の特徴として、好きなゲームの継続率が高い点が挙げられますし、日本市場には運営タイプのゲームで10周年を達成した作品もありますよね。僕らのゲームもそういった長期継続を目指しています。 ――市場には新しい競合も数多く登場してくるかと思いますが、どういった点で差別化を図っていきたいと思っていきますか。 Reed: やはり、つねにプレイヤーの皆さんに驚きやサプライス感をもたらせるかどうかが重要だと考えています。何年経っても新しい体験を提供してくれる新鮮なゲームかつ運営チームだと思っていただけたらいいなと思っています。 ――ありがとうございます。最後に本作のプレイヤーや読者の方にメッセージをお願いします。 Reed: 2年間 『NIKKE』に関心を持ち、ずっと応援してくださって本当にありがとうございます。2年続けられたことは本当に幸いだと感じています。 そして、『NIKKE』はこれから3周年を目指して突き進んでいきます。プレイヤーの皆さんがおもしろいと感じるゲーム内外の新規コンテンツを数多く作っていければと考えています。これからもサプライズ感を提供していきますので、『NIKKE』の応援をよろしくお願いします。