広島・矢野 年内フル回転 質より量 秋季Cでつかんだ好感触「モノにしたい」飽くなき向上心
広島・矢野雅哉内野手(26)が24日、年内は徹底的に振り込んで進化を図る考えを明かした。現在は打撃に主眼を置き、大阪市内で自主トレ中。今季は自身初の規定打席に到達したが、状態が落ちた時に打開する引き出しが少なかったという。スイング量を増やしてきた秋季キャンプから継続して数をこなして、不動の遊撃手としての立場を確立させる。 飽くなき向上心を燃やしながら、来季への準備を着々と進める。矢野にとって12月のテーマは打力強化。「フォームはあまり気にせず、昨年より量だけ増やしている。去年までなら、いろいろ考えてやっていたんですけど、今年は秋のキャンプでもあれだけ振った。12月もしっかり振れるだけ振っていこうと」と自身の感覚と対話を重ねる。 秋季キャンプでは連日の猛練習に耐え抜き、新たな収穫を得た。キャンプ打ち上げの日には「追い込まれてから(ファウルなどで)逃げるだけでなく、甘い球が来たらはじき返す。その感覚が見えてきた。それをオフシーズンでモノにしたい」と話していた。つかんだ好感触を完全習得するためにも、反復練習で体に染みこませていく。 飛躍の1年となった今季は自己最多137試合に出場して打率・260、2本塁打、38打点の好成績をマーク。簡単にアウトにならず、相手バッテリーに手を焼かせた。ファウルで何球も粘って四球をもぎ取る場面も多くあり、赤ヘル打線に欠かせない存在へと成長した。 ただ、その中で反省もある。月別成績で見ると9月が打率・304だったが3、4月が・222、6月が・215。「自分で自分の状態が分かるようになったのが一番」としつつも「(状態の)悪くなった時の引き出しが少ない」と足りない部分を分析した。 本調子ではない時に、いかに波を少なくできるか。それが長丁場のペナントレースでは肝要になる。「そういった練習方法、準備を探りながらやっていく」ともう一段階上のステージを見据えて汗を流す。来季、打率に関しては具体的なノルマは設けず「打率というよりも、出塁率(今季・322)を上げないといけない。打率はあまり意識せず塁に出ることを意識したい」と足元を見つめた。 強肩を生かしたアグレッシブな守備で、今季は自身初のゴールデングラブ賞も獲得。一流選手への階段を着実に上っているが、レギュラーをつかんだ気持ちはないと話す。「ショートのポジションを奪うつもりで来年もやる」と力強く宣言した矢野。バットに磨きをかけて、押しも押されもせぬ存在になっていく。