中国人労働者狙った自爆テロ バルチスタン解放軍関連か
シャングラ、パキスタン、3月27日 (AP) ― パキスタン北西部の カイバル・パクトゥンクワ州の山岳道路で3月26日、中国人建設関係者5人が乗った車両に爆薬を積んだ車が激突し、関係者全員とパキスタン人運転手1人が死亡した。 テロ事件が起きたのは同州シャングラで、死亡した中国人はパキスタン最大のダス水力発電用ダム建設に携わる作業員と技術者だった。 アフガニスタンと国境を接するこの地域では、ここ数年パキスタンのタリバンがテロ活動を活発化させている。 パキスタン当局によると、6人の遺体は病院に搬送され、警察の事件捜査と並行して、治安当局の共犯捜索が始まっている。 このテロ事件より一週間前、南西部バルチスタン州にある中国資本で建設されたグワダル港付近で、パキスタンからの独立を目指すバルチスタン解放軍の過激派8人が、中国人を乗せた車列を銃撃。過激派はパキスタン治安部隊に殺害された。 シャングラでは、数千人の中国人が道路建設、発電所、農業など多数の中国・パキスタン経済回廊関連のプロジェクトに従事している。 中国・パキスタン経済回廊は中国の「一帯一路」構想の一部であり、現在最悪の経済危機に直面している資金難のパキスタン政府にとっては生命線である。 近年、経済回廊関連のプロジェクトで働く中国人に対するテロ活動が増えている。 2021年7月、中国人とパキスタン人の技術者や労働者数人を乗せたバスの近くで、自爆テロ犯が車を爆発させ、中国人9人を含む少なくとも13人が死亡した。 (日本語翻訳・編集 アフロ)