3日連続「難民キャンプ」に空爆 ガザ地区…日本人10人と家族8人が退避
パレスチナ自治区「ガザ地区」に取り残されていた、日本人10人とその家族がエジプト側に脱出しました。ただ、その「ガザ地区」では、イスラエル軍が、3日続けて難民キャンプを空爆しています。 ◇ パレスチナ自治区のガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所には、日本の国旗を掲げる人や、「日本大使館」と書かれたサインを持つ人がいました。エジプト側で、「ガザ地区」から退避してくる日本人を待っていたのです。 外務省によると、現地時間1日、退避を希望していたすべての日本人10人と、そのパレスチナ人家族8人のあわせて18人が、ガザ地区からエジプト側へ退避しました。その中には、これまで私たちの取材に応じ、ガザ地区内の様子を伝えてくれた「国境なき医師団」の白根麻衣子さんも含まれています。 「国境なき医師団」は、「ガザ地区」には2万人以上の負傷者が残されているとして、状況が整い次第、新たなチームを現地に送るとしています。 ◇ イスラエルとイスラム組織「ハマス」の衝突以降、外国籍の人などの「ガザ地区」からの退避が初めて認められました。エジプトの地元メディアによると、これまでに外国籍の少なくとも361人か退避したということです。 また今回、“負傷者の退避”についても初めて認められ、多くの救急車両が検問所に到着する様子も見られました。 「ガザ地区の病院にいた、81人の負傷者が、エジプト側へと移送されました。多くが、先進医療ケアや、先進的な手術が必要な人々です」(※ラファ検問所・ガザ地区側で1日) 移された先は、攻撃を受ける心配のないエジプトの病院です。そこには、子どもの姿もありました。 ◇ こうしたなか、騒然となっていたのは、「ガザ地区」北部にあるジャバリア難民キャンプです。ロイター通信によると、ここを、イスラエル軍が3日連続で空爆したのです。 さらに、パレスチナ側を支援する、国連機関が運営する学校も標的になりました。 「僕たちは何もしていないのに! 神様!」 ハマス側は、難民キャンプへの一連の空爆で、最大400人が死亡したと発表しています。 イスラエル軍は、“攻撃したのはハマスの拠点だ”としています。2日夜、私たちが“民間人の死傷者が出ている”ことについて尋ねました。 イスラエル軍 報道官 ピーター・ラーナー氏 「確かに、市民の死傷者は出ています。ただ、その実際の数については、注意が必要です。すべてを幹部が操作できる、ハマスの発表する数字などは、不透明なのです」 引き続き、民間人の被害を最小限にすべく努力しながら、作戦を続けていくとしました。 ◇ 着々と拡大しているイスラエル軍の地上作戦。イスラエル軍は、その様子を連日、SNSに公開しています。 すると、対抗するように「ハマス」も動画を公開。無人機から投下したのは、爆弾とみられるもので、真下には、複数のイスラエル軍がいるとみられます。さらに、「ハマス」が拠点としている“トンネル”から戦闘員が出てきて、イスラエル軍の戦車を狙撃する様子も見られました。 「ガザ地区」の保健当局は、1日、死者が9061人にのぼったと発表しました。イスラエル側とあわせた双方の死者は、1万人を超えています。 (11月2日放送『news zero』より)