追悼・楳図かずおさん 「新しいぞと思えるものをつかみたい」 2023年に手塚治虫文化賞・特別賞に輝く
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『漂流教室』や『まことちゃん』など、ホラーからSF、ギャグ漫画まで幅広く手がけた漫画家・芸術家の楳図かずおさんが、10月28日に亡くなりました。88歳でした。 【画像】楳図かずおさん死去 88歳 郷ひろみ楽曲作詞など多彩な活動の半生を振り返る 1936年、和歌山県に生まれ、奈良県で育った楳図さん。小学校4年生で漫画を描き始め、高校3年生の時に『別世界』『森の兄妹』を出版しデビュー。『へび少女』『猫目小僧』などのヒット作により、“ホラー漫画の神様”と呼ばれる一方、『まことちゃん』でギャグの才能も発揮し、作中のギャグ“グワシ”は社会現象となりました。 楳図さんは幅広い分野でのマンガ文化への貢献などが認められ、2023年に第27回手塚治虫文化賞・特別賞を受賞。その贈呈式に出席した楳図さんは、贈呈式後のトークショーで漫画を描く上で狙っているものについて聞かれると、「人間の一番根源的なところを描きたい。それがどういうものかというと、わかってるわけじゃないけど、一番根源的なものって成り立ちもあるかもしれないけど、特に心理的なものの中にあると思うんですね。それをぜひつかみ取りたい。これが新しいぞと思えるものをつかみたいと常々思っているんですね」と明かしていました。 さらに、「僕だってどうやったらストーリーができるんだろうとか苦しむ時期がいっぱいあって、(ほかの作品を)あっち読んでみたりとかこっち読んでみたりするんだけど、読んだら影響を受けちゃうじゃないですか。それはよくなくて、描くときは努力しないといけない。そんな努力するくらいだったら、人の作品なんか無視しちゃって、自分の中で新しいものって一言で片付ければ、余計な心配することもないと思ったんです」と苦悩した日々があったことを吐露。 また、楳図さんにとっての“新しいもの”は何か問われると、「今まで描いたやつの中に絶対ないぞと思うやつ、それが新しいんです。世の中で新しいっていうのはあるけども、それもいいけど、自分の中でなにが新しいっていったら、今までやってきたことのないもの、正確な言い方をすると、いままでやってきたことの180度逆やるっていう、真逆をやる」と語っていました。