大阪・地下道の串カツ店閉店 退去の跡地に感謝の手紙も
大阪・地下道の串カツ店閉店 退去の跡地に感謝の手紙も THE PAGE大阪
大阪北区梅田にある地下道の拡幅工事に伴い、そこで営業する串カツ店「松葉」などに対し大阪市が道路法に基づき退去を命じる除却命令書を出すなど立ち退きを求めていた問題で、松葉は17日までに店の片づけをおこない閉店を決めた。18日午前には店の前に、利用客から多数の感謝の手紙や花が置かれ、「閉店のご挨拶」と書かれた張り紙をじっと見つめる人の姿もあった。
「閉店のご挨拶」見入る人の姿も
同店では17日までに片付け作業が行われ、ビールサーバーなど店で使われていたものを撤去した。立ち食いスタイルの同店だが、カウンターだった場所には、利用客からと思われる花やメモ書きが置かれており、メモには「松葉さんに感謝」「ほんまおおきに」といった感謝の言葉が書かれていた。 そんな店には「閉店のご挨拶」という張り紙もあり「足を運んでくれたお客様一人ひとりに直接お礼申し上げる事ができないのが心残りでございますが、従業員一同、心より感謝申し上げます。長い間本当にありがとうございました」と書かれていた。
撮影の男性「思い出大切にする」
18日午前には、そのメモ書きも前日より増えており、そのメモをじっと見つめる人の姿や写真におさめる人の姿が多く見られた。撮影していた大阪市内の60代の男性は「残念かもしれませんが、この店の思い出はみなさん持ってるんじゃないですか。私はそれを大切にしていきます」などと話していた。 松葉は1949年に大阪駅で開業し、その後、今回の地下店もオープンさせている。同市は「松葉」など同地下道で営業する飲食店などに1年ごとに「道路占用許可」を出していたが、阪神百貨店建て替えに伴う地下道の拡幅工事のため、占用許可の更新を昨年9月で打ち切った。松葉は「一方的に退去を決められた」として今年4月、同市に地下道占用許可更新を求め提訴した。 市が10日を期限とした除却命令書を出していたが、松葉などは10日以降も営業を継続し、同命令書の執行停止申し立てを行った。これに対し同市は11日、行政代執行法に基づいて12日までに退去を求める戒告書を交付し、大阪地裁が12日に松葉が出していた同命令書の執行停止申し立てを却下する決定を出し、13日から休業していた。