徒然草の世界観を表現 日本画の宮井さんが個展 椋鳩十記念館【長野県喬木村】
鎌倉時代の随筆「徒然草」を題材にした日本画の小品展が7日から、長野県喬木村の椋鳩十記念館ギャラリーで開かれる。飯田市下久堅の日本画家、宮井九如啓江さん(48)が25作品を展示する。 700年ほど前の作品ながら久々に読んだところ、作者の吉田兼好が「よしなしごと」(とりとめもないこと)を「現代人と変わらない感覚」(宮井さん)で書いていることにあらためて興味を持ち、内容を絵で表現した。 日常生活を題材にしているため、モチーフを見つけるのは簡単ではないが、自分の感覚を頼りに選び、これまであまり描いてこなかった風景画を中心に描き下ろした。 徐々に近づく死期を題材にした「望月のまどかなる事は」は、夕暮れ時で人生の無常観を表現。各作品には口語訳を添え、着物の帯に描いた作品も織り交ぜることで季節感も表現している。 宮井さんは「徒然草は古典文学の中でも間口が広い。『なるほどね』という感覚を味わってもらえたら」と来場を呼び掛けている。 開場は午前10時から午後5時まで。宮井さんは午前中に在廊予定。販売も行う。