能登半島地震が示した原発の恐ろしさ 脱原発首長会議が金沢で決議
原発建設予定地の損傷
学習会では、これまで石川県議や珠洲市議などの立場で原発問題に取り組み、現在は「志賀原発を廃炉に!訴訟」の原告団長を務める北野進氏も「能登半島地震と珠洲原発」と題して講演した。 翌12日、首長会議の参加メンバーは北野氏の説明を受けながら、マイクロバスを使って能登半島の先端に位置する珠洲市の現地視察へ行った。原発建設予定地の高屋地区では、隆起、地割れ、陥没、土砂崩れ、落石という大地震で起きた光景が広がっている。 ここまでの光景は、東京電力福島第一原発の周辺地域では見ることができず、それだけにメンバーたちは「ここに原発が建設されていなくて良かった」という実感を口にしていた。 さらにその後、運転停止中の北陸電力志賀原発も敷地外から視察した。驚くべきは、他の原発と比べて敷地の狭さである。北野氏によれば、地元住民の反対運動によって広大な敷地が確保できなかったという。 北野氏は珠洲市に在住で、能登半島地震の直後から原発建設予定地での地震の影響について調べてきた。北野氏作成の図でわかる通り、今回の原発の震央は関西電力の建設予定地だった高屋地区からかなり近い。寺家地区では海岸の隆起が約1メートル。高屋地区では約2メートルの隆起を引き起こした写真を見せながら説明した。
佐藤和雄・「脱原発をめざす首長会議」事務局長